がんセミナー

セミナー情報

生きるためのマネーセミナー
「あなたの知らないがん治療最前線」
~がんとお金のはなし~

がんセミナーについて

先進医療の一つ「重粒子線治療」施設

 がんに罹患する人、がんで亡くなる人が増え続けている日本。その日本において、現在がんを取り巻く状況は、国を挙げて大きく動いております。がんは、適切な情報をもっているかどうかで、その後の治療の選択肢も大きく変わってしまいます。

 このセミナーでは、多くの方が耳にしたことがあるものの、その実体については知る機会の少ない「先進医療」を始めとした、最先端のがん治療技術について皆様とともに確認するとともに、そういった治療をふまえて、どのような準備を今しておくべきかといったことをテーマにお話をしてまいります。

 すぐに使えるということもポイントとしております。翌日のお客様とのやりとりでお話しいただける内容を数多く盛り込んでおります。

セミナー概要

講師 谷藤 淳一

■セミナーテーマ
① 標準治療と最先端のがん治療
② がんファイナンスの考え方
③ がんに対する理想的な備えとは

■時間
おおむね2時間程度

■人数
特に制限はありません。1人2人からでも対応可能です。むしろ少人数形態の方がよりお伝えできる内容は濃くなるかと思います。

■講師
株式会社ライフヴィジョン 代表取締役 谷藤 淳一

■その他
テーマや時間なども、例えば女性の方向けに1時間の乳がんセミナーなど、カスタマイズが可能ですので、お気軽にお申し付けください。

 

セミナー内容

以下でご紹介するのが、実際にがんセミナーで使用しているスライドと、会場で実際に話している内容を文章化したものです。過去に聞いていただいた方は、知識の定着のための再確認として、またがんセミナーにご関心のある方については、ご参考としてご覧いただければと思います。実際のセミナーでは、もう少し実際の事例の話を交えたり、会場や規模によっては、グループワーク形式で行ったり、ご依頼者様のご要望や目的に応じて、多少内容も変化させています。こちらでご紹介している内容は、2019年2月に保険会社主催で保険代理店募集人向けに行ったセミナーの内容の一部となります。セミナー会場で実際に話した言葉をほぼそのまま文章化しておりますので、多少読みづらい箇所もがあること、またこの場で文書にすることがふさわしくない事例については割愛している点はご了承ください。

タイトル

なぜがんセミナーなのか?今日本において、がんにり患する人、がんでお亡くなりになる人が、減らない、増え続けているという現実があります。それに対して国は、がん対策基本法という法律を作って対応しようとしています。もしご自身が、大切なご家族ががんにり患してしまった時に必要なものは何なのか?日本人にとって非常に身近ながんについて、元気なうちにその実態について知っておき、かつ必要な備えを始めていただきたいと思っています。

講師自己紹介

簡単に私の自己紹介をいたします。私は、2008年11月に、株式会社ライフプラザホールディングス(現ほけんの窓口グループ株式会社)に入社し、保険業界及び保険募集業務に初めて携わりました。その後、店舗の店長、千葉エリアマネージャー、外部企業との提携事業担当、教育担当などを歴任し、2012年12月「ほけんの窓口」フランチャイズ形態の店舗を運営する株式会社ライフヴィジョンを設立。2013年2月1号店「ほけんの窓口 瑞江店」をオープンし独立。以降近隣に2号店をオープンし、2018年からは、研修事業やセミナー事業を開始。2019年3月保険ショップ事業を売却し、2019年6月より来店型保険ショップ専門コンサルティングを事業の柱に変更し、現在に至ります。現在は、日本全国エリアを問わず、志ある来店型保険ショップ募集人に向けて、セミナー、研修を行っています。

提携先企業紹介

次に私どもが業務提携を結んでいる会社を紹介いたします。こちら株式会社M&Fパートナーズという会社ですが、がんの治療に関する情報提供をしている会社です。がん患者さん、もしくはそのご家族から相談を受けて、その方のがんの状況に応じて、その状態であれば、こういった治療、こういった選択肢が考えられるといった情報を提供してくれます。そこで大事なポイントなるのが、こちらの会社、それからこちらの代表の(この写真の)高橋さんですが、医者ではないということです。もちろん医者ではないので、相談者のがんを治すということ、それからこの治療を受ければ効果があるということはもちろん言えません。ただし、医者ではないからこそできる情報提供の重要性というものも実はございます。本日のセミナーをお聞きいただくと、その理由についてはご理解いただけれると思いますが、全国的にも非常にめずらしいですが、こういった会社があるということ、覚えておいていただきたいと思います。

セミナーの流れ

では、本日のセミナーの流れについて、最初にお伝えいたします。まず、このセミナーの目的の確認を、このあと皆様とご一緒に行います。そこから、がんの罹患状況とがん治療の現状について、確認したいと思います。そして、その現状に対して、今、がん治療の現場で起こっていることを共有したいと思います。ここまでが前半戦です。その後、「がんファイナンス」という耳慣れない言葉ですが、この考え方についてお伝えしていきます。そして、それをふまえて、がん治療に必要な理想的な備えとはどういったものなのか、そして、がんに備えて、今行うべきことはどういったことなのか、こんな流れでお話を進めてまいります。

セミナーの目的

では、まず最初に、本日のセミナーの目的について確認したいと思います。「最先端のがん治療とその現状」を理解し、がんにり患した場合の「心とお金の準備」を始めること、とあります。最先端のがん治療やその現状を理解すること。お金の準備をすること。この2つについては、大事だなあと、今の時点でもなんとなくご理解いただけるのではないのか、そんな風に思うのですが、今日のセミナーの前半部分、まずこの心の準備をするために必要なこととはなんなのか?ここがある意味、今回のセミナーの肝になる部分でもございます。こういったことを知っていただき、ご自身、そしてご家族のがんへの備えを、しっかりしたものにしていただきたい、というふうに思います。

事例の確認

画像の説明を入力してください(フォントが小さく設定された文章です)

では、ここから本題に入ってまいりますが、まず最初に、みなさまとがんの事例を一つ共有したいと思います。ちなみにこの患者さんの事例ですが、さきほど出てまいりました、私どもが業務提携をしている、株式会社M&Fパートナーズに、実際に相談にいらっしゃった本当の患者さんの生の事例です。この後も何件が事例をお話ししますが、すべて作り話ではなく、実際相談にいらっしゃった本当の患者さんの事例になります。この患者さんですが、鼻の穴の奥の方、副鼻腔にがんができてしまった患者さんです。この患者さん、がんが見つかった時には、かなり進行していて、両目の目元までがんが大きくなって進行した状態だったそうです。通常がんが見つかった時に、多くの患者さんは主治医の先生からがんが見つかったことの告知を受けて、そのあとすぐ治療の話を聞かされます。ところがこの患者さんは、通常の患者さんと違い、主治医の先生から「あなたはこのがんの治療に際し、生きることを優先しますか?」と聞かれたそうです。みなさまどうでしょうか?少し想像していただきたいと思います。もしご自身、もしくはご家族が先生からそのような質問をされたらなんとお答えになるでしょうか。おそらくほとんどの方は、「生きることを優先したい」とお答えになると思います。当然この患者さんも「生きることを優先したい」とお答えになったそうです。すると先生が提示してきた治療方法、両目と鼻を同時に切除する手術です。いかがでしょうか。もしみなさまがそういった提案をされたら、気持ちよく「お願いします」と言えるでしょうか。こういった状況になってしまった時には何が必要なのか?本日のセミナーを通じてお伝えしていきたいと思いますし、またこの患者さんがとった選択は?本日のセミナーの結びでお伝えしたいと思います。是非この事例を頭に置きながら、本日のセミナーをお聞きいただければと思います。

東京都の基本情報

では、ここから中身というところですが、冒頭申し上げたとおり、今日本では、がんに罹患される方、がんでお亡くなりになっている方が増えつつづけています。ちなみに、この状態、先進国においては、そんな国は日本だけです。それに対して、国も問題視をして、法律を作って対策をとろうとしてます。最初にがんのり患状況を見ていきますが、こちらは参考程度に東京都の現状です。平均寿命は、国の平均より少し高い数値になっております。下のグラフが、がんの罹患状況ですが、男性、女性とも食道がんによる、死亡率が高いのが特徴的です。またそれとともに、女性の乳がんによる死亡率がワースト2位といったところ、今日本では、乳がん患者が爆発的に増えています。のちほど乳がんについても詳しくお伝えしますが、東京に住まれている方ご注意いただきたいと思います。

がんになる確率

つづいて、日本人全体でがんになる確率ですが、日本人が一生のうちに「がん」を発症する割合は、男性で2人に1人、女性で2.5人に1人、また、「がん」で死亡する割合は、3人に1人と言われています。これ平成23年の厚生労働省の推計データとなります。

がんになる本当の確率!?

続いてこちらをご覧ください。日本において一生のうち「がん」に罹患する本当の割合は、男性で、63%、女性47%。こちらは平成24年の国立がんセンターの推計データとなっております。このパーセンテージですが、発表されるたびに、1年あたり1%ずつくらい増加していると言われております。なので、今平成31年です。1%かける7年とすると、実際もう少し多いのではないか?とも言われております。先ほどの厚生労働省のデータが、平成23年、今のデータが平成24年、ずいぶん古いデータだなと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、実は日本にはがんの統計を取るための、国全体でのシステムがなかったんですね。だから、各機関で独自にとった統計データから推計して、発表されるまでに非常に時間がかかるという課題もありました。それに対して、平成281月より、日本でも「がん登録制度」が始まっています。今後は、こういった統計の発表に関しては、もう少し時間の短縮が図られると思います。

増え続けるがん死亡者数

次に、がんでお亡くなりになっている方の数です。この棒グラフの通り、年々増え続けており、これは罹患者数と合わせて、国は今後も増え続けていくと予測しております。冒頭申し上げた通り、がんに罹患する方、そしてがんでお亡くなりになっている方が、減らない、増え続けている、これは先進国では日本だけです。日本人にとってがんという病気が非常に大きな病気であること、今対策をしないとこの流れが止まらないこと、このことを覚えておいていただきたい、というふうに思います。

日本人の死亡原因

ちらは、年代別の死亡原因です。40代から90歳くらいまでは、がんが1位となっております。注目していただきたいのは、こちらの20台から30代の方です。若いうちって、特に男性の方は、「あっても交通事故かな」なんておっしゃる方も多いのですが、1位は、「自殺」になりますが、2位はがんなんです。今交通事故でお亡くなりになる方は、どんどん少なくなっています。年代かかわらず、がんが怖い病気だということがお分かりいただけるかと思います。

がんの罹患・死亡予想

今までのお話をふまえて、次は実数のお話です。20131年間であらたにがんに罹患された患者さんの数、約86.2万人と言われております。男性が、約49.6万人、女性が、約35.6万人となっております。2017年の予想が、101.4万人。やはり実数も増えること予想されています。世田谷区の人口が、約90万人、千葉県の県庁所在地である、千葉市の人口が約97万人。がん罹患者数がいかに多いか、おわかりいただけるかと思います。一方、がんによる死亡者数、2017年の予想が、約37.8万人で、今後も増え続けていくことが予想されています。

国の取り組み①

がんが減らない、増え続けている、もちろんいろいろな原因があると思いますが、国は今、大きく2つの原因について着目をして、具体的な対応をしようとしています。1つ目の理由、がんが減らない、増え続けている理由、我々ががんのことを知らないからだ、国はそんなふうに考えています。確かに日本という国は、学校でがんの教育をしたりしないですよね。でも欧米の先進国は、学校で、日本ではやらない「お金の教育」とか「がんを中心とした病気の教育」とかを学校でしてます。でも日本ではそういった教育をしてきていないですね。我々ががんを知らないから、がんが増え続けるんだろう、国はそんな風に考えています。で、これちょっと大事なお話なんですけども、そういう現状を踏まえて、実は昨年度、平成29年の4月なんですけども、実は国は、全国の小、中、高の学校で「がん教育」を始めてるんです。小、中、高の学校で「がん教育」を始めてます。今年が2年目になります。中学2年生の保健体育からスタートしているようですし、高校でのがん教育のスタート、少し遅れているようです。それからもちろん自治体によっても多少の差はありますけども、国がこういったことを始めている、これ自体は非常に将来に向かって有意義なことだと思います。将来の日本の為に国はこんなことを始めているのだと思いますが、この教育の成果が実際の死亡率を減らしていくのか、そういった結果として現れてくること、確認することができるのは、たぶん早くても20年以上先のことになると思います。203050年先のことを考えて国はこんなことをスタートしているのだと思うんですけども、皆様に考えていただきたいことがあります。国が本当にがんの教育をしたい、まあ教育という言い方が適切でないんだとすると、がんについて知ってもらいたいと思っている対象、果たして学生さんなのかどうかって話なんです。私は違うと思います。国が本当にがんのことを知ってもらいたいと思っている対象、それは間違いなく我々社会人なんです。すでに学校を卒業している、がんの罹患年齢に達している、近づいている我々社会人に対して、国は本当はがん教育をしたいんです。ところが、日本では、社会人に対してがん教育をする場もないですし、担い手もいない。ということがあるので、まずお子さんへのがん教育からスタートしているんだと思いますけども、国が一番がんのことを知っていただきたい、それは我々社会人だということ、今日のセミナーも国のこうした動き、踏まえて皆様方にがんについてのお話をさせていただいております。

国の取り組み②

2つ目、がんが減らない、増え続けている原因、がん検診の受診率が極めて低いからだ、国はそんなふうに考えております。みなさま、がん検診をお受けになっていますでしょうか。日本ではがん検診の対象となっているがん、胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮頸がん、この5つががん検診の対象となっています。5つのがん検診、どの健診受診率見ていただいても30%台から40%台。非常に低いですね。欧米先進国のそれと比べると、半分以下の数字になっています。特に低いのが女性なんです。これだけ見ていくと、乳がん、子宮頸がんそんなに極端に低いような気はしませんけども、子宮頸がんと乳がんって2年に1回受けろって言われてます。この数字平成27年と28年の受診率、単純に足したものなんです。2で割ってみてください。20%台になってしまいます。国はこの低い健診受診率を、50%以上に上げていく、それを今大きな目標として、各自治体に対して様々な働きかけをしています。もちろんがん検診っていうのは、受ければ必ず見つかるというものではないです。でも、やはり受けないよりは受けた方が良い、早期に見つかる可能性が高くなるわけです。早期に見つけて早く治療をしていく、がん治療に関して言うと、こういったことが非常に大切になってきます。国は、このがん検診受診率を50%にする、これを当面の目標にしています。もしこの中で、がん検診お受けになったことがないという方いらっしゃるんであれば、是非がん検診はしっかりお受けになっていただきたい、そういうふうに思います。

がん難民

それではお話しを戻します。先ほど申し上げたように、1年間に日本では862千人以上の方ががんに罹患しています。内訳をざっくり見ていきたいんですけれども、全体の60%くらいの方が、非進行期、一般的には早期と言われる状態でがんが見つかってます。体の中にがんが1か所ある状態でがんが見つかっている方が、全体の約60%いらっしゃるということです。残りの40%くらいの方が、進行期、一般的には末期と言われる状態でがんが見つかっています。体の中にがんが2か所以上ある、まあ転移がある状態で見つかっている方が、全体の約40%いらっしゃる、ということでご理解をいただければ、というふうに思います。がんが見つかると、すべての患者さんが、その方のがんを治すために、積極的にいろんな治療を受けることができているのかというと、実はそうではないんですね。この(スライドの)下、赤字で書いてある部分ですけども、現状のがん治療では、早期に発見された非進行期(早期)がんの担癌者に対する、根治治療が中心となるのだと、これどういうことか?がんが見つかって、その方のがんを治すために積極的に治療を受けることができる方っていうのは、まず初めてがんが見つかっている方、かつ早期の状態で見つかっている方、その方に関しては、確かにその方のがんを治すために、積極的にいろんな治療、受けることができるようになっています。ところが一方で、治療が難しいって言われている再発の状態でがんが見つかっている方や、見つかった段階ですでに末期だった方、転移があった方、必ずしも積極的な治療が、行われていない、行えないという現実があります。がん難民という言葉、お聞きになった方いらっしゃると思います。がん難民、嫌な響きの言葉です。がん難民というのは、明確な定義はありませんけども、一般的には、がんに罹患しているにもかかわらず、何らかの理由があって、治療が受けられない患者さん、指す言葉として使われております。ここにいらっしゃる私を含めて全員が、医療先進国だと思っている日本において、実は年間50万人以上の、そうしたがん難民の方が発生してしまっている、そんなふうにも言われています。なんで日本でこんなに多くのがん難民の方が発生してしまっているのか?今日のセミナーをお聞きいただくと、その一端についてはご理解いただけるんじゃないかと、いうふうに思います。

ポイント①

今日一つ目のポイントです。がんは非常に身近な病気になってしまっているが、すべての患者さんが十分な治療を受けられているわけではない。これが日本のがん治療のまず現実なんだということを、このことを頭に入れながら、今日はお話聞いていただきたいというふうに思います。

がんのステージとクラス

先ほど早期、末期というお話しをしました。がんのステージについて簡単に触れていきます。がんのステージ、これは本当はがんの種類ごとに細かく分かれていますけども、一般的にはゼロ期からⅣ期までの5段階に分かれています。ゼロ期というのは、日本では上皮内がんと言われている状態ですよね。簡単に申し上げると、がんが上皮の中にとどまっていて、深く組織の中に進行していない状態。日本ではこれをゼロ期の上皮内がんと言います。ところが、欧米先進国では、この状態まだがんだとは全く認識されていない状態です。がんの前の状態、前がん状態と言われている状態がこのゼロ期の上皮内がんです。上皮内がんだけで亡くなる方はいらっしゃいませんし、上皮内がんに関しては健康保険を使った治療で100%治るというふうに言われています。Ⅰ期とⅡ期、これは体の中にがんが1か所ある状態を言います。大きさによって、Ⅰ期とⅡ期がわかれています。で、このゼロ期からⅡ期までを一般的には、非進行期、早期というふうに呼んでいます。Ⅲ期になりますと、体の中にがんが複数ある状態、これがⅢ期です。Ⅳ期になりますと、遠隔転移って言いまして、血液やリンパに乗って、がんが全身に散ってしまったような状態、これⅣ期っていいます。で、このⅢ期とⅣ期をあわせて一般的には、進行期、末期などと言い方するんですね。ただこれは、体の中にがんがどういう状態であるのか、によってステージわけしているだけです。例えば4期のb、よく最末期だって言いますけども、4期のb、全身にがんが転移しているような患者さん、じゃあ痛みがひどくて、寝たきりなのか?というと、実はそういう患者さんが決して多いというわけではないんですよね。Ⅳ期のb、全身にがんが転移してても、我々と同じように、まったく痛みがない、日常生活なんの支障もない、食事もできるし、仕事もできる、そんな患者さんも実はたくさんいらっしゃいます。女優の樹木希林さん、残念ながらお亡くなりになりましたが、がんにり患してからも10数年間女優として活躍されていました。あの方生前、折に触れてご自身のがんの話をされています。ずいぶんいろんな治療されていたようですけども、多分ずっと全身にがんがあったのだと思います。このステージわけだけで行くと、あの方Ⅳ期のb、最末期になるんだと思いますけども、ああして長く活動することができていた、Ⅲ期だからⅣ期だから、もう駄目なのか?決してそういうことではないといことも併せてご理解をいただきたいというふうに思います。

先進医療①

それではここから、がんの治療について少しお話をしていきたいんですけども、最初に皆さんに質問があります。「先進医療」お聞きになったことありますよね。あのテレビのコマーシャルなんかでも、よく外資系の保険会社が、言っている言葉ですよね。お聞きになったことあるかと思います。非常に、なんか響きのいい言葉です。でもみなさん、先進医療ってどんな治療なのか、実際にお聞きになったことあるでしょうか。先進医療ってどんな治療なのか、そこからまず治療のお話をしていきたいと思います。自分の恥ずかしい話から申し上げますと、私もこの仕事約10年ほどしておりますけども、以前は先進医療のこと全く持って誤解しておりました。先進医療っていうのは、今までの治療では治せなかった、病気やケガを治してくれる、夢の新しい治療、そんなイメージを持っていたんですけども、実は先進医療ってそんな治療では全くないんですね。じゃあどんな治療なのか、お話をしていきます。

先進医療①

テレビのCMですっかりおなじみとなってしまった先進医療、先進医療ってどんな治療なのか。先進医療っていうのは、大学や病院、研究機関で開発された最新医療技術の中で、厚生労働大臣が、これ国がっていうことです、国がその新しい治療の安全性と治療効果を認め、将来的に保険診療への導入、これ健康保険の適用ってことです、その新しく開発された治療を将来的に健康保険の適用にするかどうするかを臨床の現場で評価する治療を指します。これまず先進医療の定義なんです。で、我々にかかわってくる大事なところというのはこの辺からなんですけども、先進医療は、その種別(治療)ごとに、実施可能な病院が承認されており、適応も施設も極めて限定された治療です。さあどういう意味なのか?先進医療っていうのは読んで字のごとく、新しく開発された最新の医療技術なんです。で、新しい医療技術なんですけども、すでに安全性と治療効果が確認されているので、国はこの新しい治療、将来的に健康保険の適用にするかどうするか、今まさに判断しようとしてます。国が判断するために、何が必要だと思います?で、これは唯一、国が判断するために必要な、正確なデータですよね。ですから、まあ誤解ないように、わかりやすい言葉で申し上げますと、先進医療っていうのは、まず国が健康保険の適用にするかどうするか、判断するために必要なデータを取ることを目的とした「実験治療」、それが先進医療なんです。通常私たちが、病院に行って3割負担で受けることができる治療、あれはもちろん目の前にいる患者さんの病気やけがを治すために先生が行ってくださる治療なんですけども、先進医療、今申し上げたように、国が判断するためのデータをとることを目的とした実験治療なので、もともとの立ち位置が違うわけです。こういう症状の患者さんに対して、こういう治療をしたら、治りました。これも国が欲しい、判断するためのデータなんですけども、一方で、こういう患者さんに対して、こういう治療をしたら、治りませんでした。これも国が判断するために、必要になってくるデータになります。ですから、さきほど申し上げように、通常の治療とは、もともと立ち位置が違う実験治療、それが先進医療だということです。もちろん先進医療に認定されている治療は、治療効果の高いものもたくさんあるんですが、今申し上げたように、もともとの目的が違う、ですから先進医療、国が欲しいデータを取ることを目的とした治療なので、治療毎に、受けるための条件が、国によって細かく決められています。また、治療をした、そのデータを国は正確に吸い上げなければいけないので、治療毎に、その治療を先進医療としてやっていい医療機関も、国によって決められている、それが先進医療でございます。夢の新しい治療、また最先端の治療すべてが先進医療ということではないということ、まずここでしっかりとご理解をいただきたいというふうに思います。

先進医療②

もう少し先進医療のお話をしていきます。先進医療って、毎月1日に見直しが行われています。厚生労働省のホームページを見ていただきますと、それが確認できるんですけども、2月1日の段階で102種類の治療が先進医療に認定されています。で、この102種類の治療を行うことができる医療機関、日本全国にのべ1,758か所あります。1つ実際の治療を例に挙げてお話し申し上げますと、樹状細胞のワクチン療法、これ人間のもともと持っている免疫力を使ったがんに有効だって言われている、新しい治療方法なんです。この樹状細胞のワクチン療法、先進医療として受けようとすると、東京女子医大で受けなければならないんですね。ところがこの樹状細胞ワクチン療法、全く同じ治療を行っている医療機関、日本全国にたくさんあります。もしほかの医療機関で受けたらどうなるのか、全く同じ治療です。他の医療機関で受けたら、どうなるのか?先進医療に認定されないんですね。なんでか?国が承認した医療機関で受けてないからなんです。

ポイント②

このことを覚えておいてください。実は先進医療、簡単に受けられる治療ではないです。なんで先進医療が受けられないのか?どれくらい実際受けられてないのか?これについて、後ほどまたあらためてお話をしていきます。

健康保険による代表的ながん治療

もう少しがんの治療のお話をしていきます。がんの3大治療ってお聞きになった方いらっしゃるかと思います。手術、抗がん剤治療、放射線治療、これがんの3大治療と言います。で、このスライドで覚えていただきたいところ、1点だけです。私たち日本でがんが見つかると、どこの部位のがんでも、早期でも末期でも、何歳の時に見つかったがんであったとしても、必ずこの3大治療のうちのどれか、もしくは3大治療のうち、2つ以上の治療を組み合わせた治療を、必ず受けるルールになっています。そのことをまず覚えておいてください。なんで必ず受けるのか、これについても後ほど具体的な理由を申し上げますが、今の段階では、健康保険が適用になる治療がたくさんあるからと、そんなふうにしてご理解をいただければと思います。それから緩和ケア、がん治療における緩和ケアっていうと、もう治療が受けられなくなった方が、最後の最後にお受けになる治療、そんなイメージをお持ちの方もたくさんいらっしゃると思いますけども、今実は緩和ケアっていうものは意味合いが変わってきています。緩和ケアっていうのは、今痛みを取る治療全般を指す言葉として使われているんです。がんのステージに関係なく、患者さんが痛いと言われた場合に、この痛みを取る治療が通常の治療と並行して今行われるようになっています。このことについても是非ご理解いただきたいと思います。それからセカンドオピニオン。大都市圏を中心に、割と今一般的になりつつある言葉なんだとというふうには思うんですけども、このセカンドオピニオン、もともとは、今自分が主治医の先生からやりましょうって言われている治療、本当に自分にとってベストな治療なのかどうなのかを、別の先生から客観的にご意見頂戴する、それがもともとのセカンドオピニオンの意味なんですけども、がんの治療現場で、セカンドオピニオンをお取りになる方、患者さん、ほぼ100%、別の目的でセカンドオピニオンをお取りになっています。どういう目的でセカンドオピニオンをとっているのか?ほぼ100%別の治療の選択肢を探してセカンドオピニオンをお取りになっています。例えば手術だって言われた患者さん、手術が嫌なので別の治療の選択肢を探してセカンドオピニオンをとる、という患者さんが大半なんですけども、セカンドオピニオン、ここに書いてある通り、自由診療なんですね。自由診療っていうのは健康保険がきかないっていうことです。全額自己負担だということなんですね。相場観を申し上げますと、東京、大阪等の大都市圏であれば、セカンドオピニオン、30分1万5千円+消費税くらいからです。また、地方都市においても、30分1万円+消費税くらいかかる。実はセカンドオピニオンって非常に高いです。ですから取り方があります。これについても後ほどお話をしていきます。

健康保険外による治療の一例

一方で、健康保険は適用されませんけども、最先端のがん治療と言われている治療にどんなものがあるのか、ちょっと一例を挙げてあります。重粒子線治療、陽子線治療、ホウ素中性子補足療法、免疫細胞療法、CDC6shRNA遺伝子治療、時間の関係もあるので、詳しくはお話し申し上げませんが、このことは是非覚えておいてください。日本には、がんの治療方法、3大治療以外にもたくさん治療の選択肢があるということです。今日のセミナーの中で、皆様方に一番正確に理解をしていただきたいこと、実はこの選択肢という部分です。

ポイント③

先ほど申し上げた通り、日本でがんが見つかると私たち必ず3大治療を受けるルールになっているんですけども、日本には3大治療以外、たくさん治療の選択肢があって、がんの治療を考えた場合に、この選択肢が非常に重要になってきます。なぜこれが重要なのか?のちほど具体的な事例を持ってこの部分については、ご説明申し上げます。

粒子線治療①

それではその中で、昨今首都圏でも受けられるようになっております、粒子線治療、先ほど読み上げました重粒子線治療と陽子線治療、合わせて粒子線治療っていうんですけども、この治療についてだけ、少し解説をしていきたいと思います。この粒子線治療、重粒子線治療と陽子線治療のことを指しますが、放射線治療の一種です。イメージとしては、従来の放射線治療よりも、はるかに力の強い放射線を、がんだけにピンポイントであてていく、そんな治療だというふうにまずイメージしてください。重粒子線治療と陽子線治療、この2つの治療の違いはなんなのか、単純に力の違いなんです。この2つを比べた場合、重粒子線治療の方が、また力が強いんですね。例えば、重粒子線を1回打つ、同じ治療効果を陽子線治療で得ようとすると3回打たなきゃいけないとか5回打たなきゃいけない、そういう力の違いはあるんですけども、これから申し上げる治療のメリット、それから受けるための条件については、この2つの治療、全く同じでございます。従来から放射線を使ったがんの治療って行われています。3大治療のひとつが放射線治療でしたよね。で、放射線の治療っていうのは、簡単に申し上げると、体の中にあるガンに向かって、体の外から放射線を打ち込んでいって、その放射線の熱でがんを焼き殺してしまう、まあこんな治療だというふうにイメージしていただければよろしいかと思います。で、従来から行われていた放射線治療、じゃあその放射線が一番強くあたる場所、がんだったのかというと、実はそうじゃなかったんですよね。従来の放射線治療の場合、一番強く放射線があたるのは、最初に放射線が当たる皮膚の表面、そこに一番強い放射線が当たっていました。放射線はそのまま体の中まっすぐ進んで、がんを焼き切って逆側から抜けていく。従来から行われていた放射線治療、一番大きなデメリットは、正常細胞に大きなダメージを与えてしまうということでした。で、この重粒子線と陽子線治療、さきほど申し上げた通り、従来の放射線治療よりも、はるかに力の強い放射線を体の外から、体の中にあるガンに向かって、打ち込んでいくのですが、実は重粒子線も陽子線も皮膚の表面にあたった時、力ほとんどゼロなんです。で、がんが体の中、何センチのところにどんな形であったとしても、がんに行きついた瞬間、最大のパワーが発揮されるように作られています。で、最新の重粒子線、陽子線治療施設、がんの中で放射線が止まるんです。ですからこの2つの治療、副作用がほとんどありません。体にダメージを与えない治療です。体への負担が少ない、入院の必要もなくて、通院しながらこの治療をお受けになっている患者さんも、実はたくさんいらっしゃいます。ですから中には、仕事をしながら、これらの治療お受けになっている方もいらっしゃるんですね。で、この重粒子線治療と陽子線治療、さきほどお話をした、先進医療に認定されています。先進医療に認定されているということは、安全性と治療効果がすでに確認されていますけども、まだ健康保険適用になっていない、実験段階の治療だということです。つまり国が受けるための条件、きっちりと決めています。次のページで受けるための条件を見ていきますけども、その前にここに2枚の写真があります。千葉県千葉市にあります、放射線医学総合研究所、これ国の施設で、放射線治療の研究開発をやっている、国の研究機関なんです。で、この2枚の写真、そこの附属病院で、実際に重粒子線治療をやっています。その重粒子線の照射室の写真です。ちょっと見づらいかもしれませんけども、上の写真、ブルーになっているところがベッドになっていまして、ここに患者さん横になられて実際に治療をお受けになられます。あの従来のちょっと怖いような手術室と比べるとずいぶん趣き違いますよね。ここで実際に治療が行われています。

粒子線治療②

じゃあ国が決めた受けるための具体的な条件、主な条件どんなものがあるのか、ちょっと見ていきたいんですけども、重粒子線治療と陽子線治療、これがんの治療に使っていきますが、がんの確定診断がされている、これが大前提になります。それからがんの複数転移が無い、つまり体の中にがんが1か所ある状態じゃないと、この治療って受けられないんですね。がんが体の中に1か所ある状態、さきほどのステージでいうとⅠ期かⅡ期、つまり重粒子線治療と陽子線治療、早期のがんに対応する治療だということです。重粒子線治療っていうのが万能治療なんだ、そんなお話が過去にあったようですけども、決してそういうわけではないということですよね。早期のがんに対応する治療、それが重粒子線治療と陽子線治療ということです。それから次の条件、これはあの実験治療を象徴しているような条件だと思いますけども、過去に放射線治療を受けていない、これが受けるための条件になっています。なぜなのか?もし副作用が出た場合、どちらの放射線治療による副作用なのか、判断が難しいから、国はそんなことを言っています。さきほどの実験治療を象徴するような、これは条件だと思いますけども、正確なデータが取れない患者さんに対しては、無理してやっていかないということ、先進医療のスタンスを物語っているような、これは条件だと思います。それから次も大切ですよね。すべてのがんが対象ではないんです。管腔臓器、いわゆる消化管ですよね。胃だとか大腸とか小腸とか、ぜん動運動って言いまして、体の中で始終不規則に動いているような臓器、それは治療の対象外です。ですから、例えば胃がんの患者さん、大腸がんの患者さん、早期の方であって、手術って言われたんだけども、それが嫌だから、自分の胃がんや大腸がんを重粒子線、陽子線で直したいって言っても、これはダメだということでございます。食道がんに関しては、今一部の医療機関では治療が始まっています。ちょっといい情報があるんですけども、先ほどご紹介しました千葉にあります放射線医学総合研究所、数年前から乳がんに対する臨床試験、実験治療が始まっています。また、鹿児島の指宿にあります、後でお話しまたしますけども、メディポリスという、これ陽子線専門の民間の治療施設なんですけども、そこで乳がんに関して、この臨床試験始まっています。で、2年ほど前になりますけども、このメディポリス、世界で初めて早期乳がんに対する陽子線の単独治療を2症例して、2症例とも成功させています。このメディポリス自体は、陽子線使って、放射線使って切らずに乳がんを治していく、ということを、設立の大きな目的のひとつとしている医療機関なので、今も様々な乳がんに関する実験治療、臨床試験をしてくださってますから、メディポリスについては、是非覚えておいていただきたいと思います。

標準治療との比較

それでは今、今でも日本で非常に多い肺がんについて、一般的に行われている手術による肺がん治療と、今お話し申し上げました、この近くであれば千葉へ行ったら受けることができる重粒子線を使った治療、どんな違いが出てくるのか、具体的に見ていきたいと思います。肺って言うのは、右が3枚の肺葉、左が2枚の肺葉からできています。で、その肺葉にがんができてしまうと、そのがんができた場所だけでなくて、一般的では肺葉そのものを摘出していく、そんな治療をします。で、今は、この荒っぽい治療ばかりしているわけじゃないんですけども、肺活量が4,000だった方、もし2枚の肺葉にがんができてしまって、手術で肺葉を2枚摘出したとすると、この方手術が終わって麻酔から目覚めると肺活量が4,000から一気に2,400まで落ちてるわけです。息苦しくなったりします。これがいわゆる機能不全と言われている状態です。機能不全、手術を行う際の一番大きなデメリットだという風に言われています。体の中いろいろな臓器がありますけども、基本的に不必要な臓器ってないんだと思います。手術によってなんらかの臓器の摘出をした場合、必ず何らかの機能不全が起こってくる。手術を行う際一番大きなデメリットだと言われているんです。また、2センチの肺がん切除するのに、肺葉そのものを摘出しますから、実は胸から脇にかけて、相当大きく切ります。わき切るとあばらが出てきますよね。あばらの間から肺葉の摘出をしますから、一般的に日本全国で行なわれている、手術による肺がん治療、体に大きな負担、ダメージが残る大手術になります。今までの生活がしづらくなって、術後リハビリが必要になったりすることがある。これが一般的に今でも日本全国で行われている、手術による肺がん治療です。じゃあそれに対して、重粒子線使った治療ってどんな治療になるのか、治療効果は高くて体への負担が少ない、先ほど申し上げた通りなんですけども、入院の必要がなくて、1回重粒子線当てるだけで治療が終わります。当ててる時間、長い方でも1分も当てません。短い方は10秒もかからない、痛くもかゆくも熱くもないです。これから重粒子線打ちますよって言われないと、打たれたことすらわからない、それで治療が終わるんです。3年局所制御率、これ粒子線治療の時に使う少し難しい言葉なんですけども、3年局所制御率っていうのは、3年間同じ場所にがんが再発しない確率、つまり、そこにあったがんが、治る確率なんです。肺がんの場合、重粒子線1回の照射で3年局所制御率、90%を大きく超えています。で、この90%大きく超えているという数字、手術と比べて、全く遜色のない数字です。男性のがんで、前立腺がんっていうがんがあります。2016年以降、日本で男性が一番罹患するであろう、国が予想しているがん、それが前立腺がんなんですけども、前立腺がんの場合、照射の回数は1回ではなくて、12回とか16回になりますけども、国が決めた条件をクリアして、その重粒子線治療を受けられるってなった場合、3年局所制御率、今なんと、ほぼ100%です。そこまで治療効果が高くなっています。治療を受けるためには、これ先進医療ですから、一定の条件をクリアしていただく、とうことにはなっていますけども、副作用がなくリハビリの必要もない治療です。これが重粒子線を使った肺がんの治療になっているんですね。どうでしょうか。このお話し聞いていただくと、もし自分が肺がんになったら、前立腺がんになったら、重粒子線治療もいいな、と思われてる方たくさんいらっしゃるんだと思いますが、ところがさっき申し上げた通り先進医療です。受けられないんです。

先進医療の現状

どれくらい受けられていないのか、また最新の数字が2013年、古くて恐縮なんですけども、20131年間に重粒子線治療、陽子線治療をお受けになった患者さんの数、合計して4,654人です。で、この中にはこの治療を受けるために、日本にいらっしゃった外国人の方も含まれています。じゃあこの2つの治療、治療対象になる患者さんってどれくらいいらっしゃったのか?冒頭で1年間あらたにがんに罹患する患者さんの数、862千人以上、そんなお話をしましたが、少なく見積もって1割って言われてます。9万人くらいは、たぶん治療対象なんですけども、4,654人しか受けられていない。なんでこんなに少ないのか?私先進医療っていうのは病院の先生が勧めてくださる治療だと思ってました。ところが、病院の先生は先進医療、基本的に勧めてくれないんですよ。先進医療、これがんに限ったことではないですけれども、先進医療に認定されている治療、受けようとするとまず、情報が必要となります。それから、その治療、「絶対に受けるんだ」、患者さん自らの強い意志がないと、基本的に先進医療って受けられません。じゃあなんで先生は、先進医療を紹介してくださらないのか?知らないのか?意地悪しているのか?もちろんそうじゃないんですよ。この言葉今日覚えて帰ってください。

診療ガイドラインとがん治療

日本の治療現場には、「診療ガイドライン」があるからです。診療ガイドライン、この言葉是非覚えて帰っていただきたいというふうに思います。診療ガイドラインってなんなのか?診療ガイドラインというのは簡単に申し上げると、先生方が治療の際、お使いになってらっしゃる、治療のマニュアルです。じゃあ、なんでこんなマニュアルが作られたのか、実は、がんに限った話ではないんですけども、診療ガイドラインが作られる前、同じような症状の患者さんに対して、健康保険使った治療をするのに、例えば東京でやっている治療と、青森でやっている治療と、福岡でやっている治療と、違う治療をしたりしていたことがあったんです。国民皆保険制度の日本において、健康保険を使って治療をしているのに、場所によってやっている治療が違う、それはおかしいだろと、日本全国どこでも同じレベルの治療が受けられる、要は医療の地域格差をなくすために作られたのがこの診療ガイドラインというマニュアルなんです。で、治療は診療ガイドラインに沿って行われています。この診療ガイドラインの中には、具体的な治療方法が書かれています。こういう症状の患者さんに対しては、こういう治療をしましょうね、具体的な治療方法が書かれています。がんに関して言うと、そこに書かれている具体的な治療方法、先ほどお話を申し上げた、手術、抗がん剤、放射線を中心とした、すべて健康保険が適用になる治療で、診療ガイドラインって作られているんです。よろしいですか?先生方は、診療ガイドラインに沿って治療をされています。診療ガイドラインの中には、具体的な治療方法が書かれてます。がんに関して言うと、そこに書かれている具体的な治療方法、3大治療を中心とした、すべて健康保険が適用になる治療が診療ガイドラインで作られています。つまり、先生方がマニュアルとしてお使いになっていらっしゃる診療ガイドラインの中に、先進医療という言葉は入っていないんです。ですから、先進医療、病院の先生からは勧められません。なんで先進医療が受けづらいのか?受けられないのか?診療ガイドラインがあるからです。がんに罹患すると、さきほど私必ず3大治療を受けると申し上げました。なんで必ず3大治療を受けるのか、診療ガイドラインがあるからです。これは良し悪しではなく、日本の治療のルールなんです。このこと是非、今日覚えて帰っていただきたいというふうに思います。確かに粒子線治療に関して言うと、受けられる治療施設が少ないということもあります。重粒子線の治療施設、千葉を含めて全国に6か所しかありませんし、陽子線の治療施設も14か所しかありません。どこでも簡単に受けられる治療ではないんですけども、この診療ガイドラインの存在、是非しっかりと覚えておいていただきたいという風に思います。

がん治療までの流れ

今、スタートしてから45分くらいたちました。なんで45分もかけて皆様方にこんなお話聞いていただいたのか、ちゃんと理由があります。がん治療までの流れについてお話をします。がんっていうのは病院に行った瞬間、「あなたがんです」って、まずないですよね。自覚症状があったり、がん検診、人間ドック等々を受けて、要精密検査になって、精密検査をして、初めてがんとわかります。その時行う精密検査っていうのは、疑われている部位の細胞を直接体の中から取ってきて、病理の先生って言いまして、全国に2,300名くらいいらっしゃるんですけども、顕微鏡だけ専門に見ている先生がいらっしゃいます。その先生が、取ってきた細胞をご自身の目で見て、がんかどうかの判断をします。で、この病理の先生が、間違いない、これはがんだぞってことになると、がんが確定して、私たちは主治医の先生から、がんの告知を受けることになります。で、冒頭ご紹介した株式会社M&Fパートナーズの高橋さん、今まで何度も患者さんと一緒に病院に行って、患者さんのがんの告知に立ち会ってます。で、病院の先生は、患者さんに精密検査の結果、残念ながらがんが見つかりました。がんの告知をした直後、必ずあることを患者さんにお伝えになります。先生は、患者さんにがんの告知をした直後、患者さんになんの話をすると思います?もちろん治療の話ですよね。こんな感じです。私谷藤って言いますけども、

「え~谷藤さん。精密検査の結果、残念ながら肺がんが見つかりました。」

「えっ」

多分頭の中真っ白になります。で、そのとき先生がおっしゃるわけですよね。

「でもやりようがあるから。手術をしよう。来週の水曜日の午後であれば、僕が直接執刀してあげるけどどうする?」

先生そんなことおっしゃるわけです。ちょっとみなさん考えてみてください。皆様方は、肺がんの疑いがあって、1週間前に、例えば東京には癌研有明病院、日本で最高のがん治療をやっていると言われている病院のひとつですけども、そういう病院があります。大病院。癌研有明病院に行って、1週間前に精密検査を受けたんですね。で、今日その結果を聞きにみなさん癌研有明病院に、また来てます。皆様の目の前に座っていらっしゃる先生、肺がんの手術であれば、呼吸器外科になりますから外科部長の先生が座っていらっしゃるわけです。みなさんは先生から、精密検査の結果、残念ながら肺がんが見つかりました。と告知を受けました。今頭の中真っ白になっています。先生おっしゃるんです。

「でもやりようがあるから。手術をしよう。来週の水曜日の午後であれば、外科部長の僕が直接執刀してあげるけど、どうする?」

って言われたら、皆さんだったらどういうふうにお答えになりますか?で、こういう聞き方をすると、「少し考えます」って言ってくださる方いらっしゃるんですけども、実際現場行くと、そんなことおっしゃる方まずいらっしゃいません。みなさまなんとおっしゃられるのか?「お願いします」とおっしゃいますよね。「お願いします」。で、これは誤解していただきたくないんですけども、先生からの提案をけれってお話では、もちろんないです。じゃあ、高橋さんなんのために、患者さんと一緒に病院に行くのか、彼は、ひとこと、「先生わかりました。でも家族と相談する時間、少しください。」このことだけ言いに、患者さんと一緒に病院に行くんです。そのことだけ言いに、病院に行きます。なんでそれ言わなきゃいけないのか?こんな事例があるからです。

(このあとこういったお話に対する実際の事例をご紹介しています。ここでは割愛させていただいております。)

がん治療の基本的な考え方

がん治療の基本的な考え方です。がんの治療は、最初にどんな治療を行うかが最も大切なんです。がんの治療は、行ってしまった後、絶対後悔ができません。ですから、お医者さんから勧められた治療だけではなく、多くの選択肢の中から、患者さんとご家族の意思で、行うべき治療を選んでいく。これががんの治療の基本的な考え方です。がんの治療現場において、多くの患者さんを見たことによる実感でもあります。がんの治療、最初が最も大切、やってしまったら後悔できない。ですから、たくさんの選択肢の中から、患者さん、ご家族の意思で行うべき治療を選んでいく、この考え方、是非覚えておいていただきたいというふうに思います。

セカンドオピニオン

で、別の治療の選択肢ということとなると、お話し戻りますけども、セカンドオピニオンっていうお話になります。さっき申し上げたように、がんの治療現場でセカンドオピニオンをお取りになる患者さん、ほぼ100%、別の治療の選択肢を探してセカンドオピニオンをお取りになります。ですから、一般的にセカンドオピニオンっていうのは、今自分がかかっている病院よりも、より大きな病院、より有名な病院でセカンドオピニオンって取ろうとしますよね?なんでか?大病院や有名病院であれば、別の治療の選択肢があるからだと、いう風にお考えになるからです。じゃあ皆さんどうでしょうか?例えば家の近くの市民病院で手術だって言われた患者さんが、東京の大病院、そこまでわざわざ時間とお金と手間をかけて行って、セカンドオピニオンを取りました。別の治療の選択肢、出てくると思います?基本的には出てこないんですよ。なんでか?大病院であればあるほど、治療は診療ガイドラインに沿って行われているからです。じゃあもし、別の治療の選択肢を探してセカンドオピニオンを取るんだったら、どういう取り方をすればいいのか?時間の関係もあるので、1つだけお話し申し上げますけども、もし別の治療の選択肢を取る、探す目的でセカンドオピニオンを取るのであれば、まず放射線の専門医の先生からセカンドオピニオンを取ってみてください。放射線の専門医の先生。大病院に行きますと放射線の外来とかあります、そこには放射線の専門医の先生がいらっしゃいます。なんで放射線の専門医の先生がいいのか?がんの3大治療のひとつが放射線治療ですよね。実は、放射線の専門医の先生って、いろんながんの、いろんながん治療にかかわっているんです。いろんな症例、一番たくさん見ているのは、放射線科の先生なんです。ですから、もし別の治療の選択肢を探して、セカンドオピニオンを取ろうとしたら、まず放射線の専門医の先生のところで、セカンドオピニオンををとってみてください。別の治療の選択肢が出てくる可能性があるんだというふうに思います。

前半のまとめ

前半のまとめになります。納得できる治療を受けるためには、何が必要なのでしょうか?まず、がん治療で必要なもの、それは間違いなく「情報」なんです。がん治療に必要なもの、それは情報です。ところが、がんの治療現場にいらっしゃる患者さん、ほとんどの患者さんが十分な情報がない中で、治療をお受けになっています。じゃあこれなんでか?治療現場にいらっしゃる患者さんは、がん治療に関する情報をどっからとっているのか?ほぼ100%主治医の先生です。主治医の先生っていうのは、どんなにいい先生でも、どんなに名医だって言われる先生であったとしても、自分がやっている治療以外の治療に関する情報提供、患者さんには基本的にはしないですよね。もし、みなさんやご家族ががんに罹患してしまい、十分な情報がない中で治療を受けなければならなくなってしまったら、そういう状況に納得できるかどうか、是非考えてみていただきたいというふうに思います。

がんファイナンス導入

それでは、ここからですね、後半の部のお話し、がんファイナンス、がん治療とお金のお話をしていきたいと思います。がんファイナンス、これはがんにかかってしまった時の資金繰りのことを言います。ポイントは大きく3つあるんです。まずひとつめのポイント、初めてがんが見つかった時、お金の心配をせずに、治療に専念できる環境を作っていただきたい。これがんファイナンスの1つ目のポイントです。2つ目のポイント、今まであまり語られることなかったと思うんですけども、がんに対して備えておかなきゃいけないお金、実は治療費だけではないんです。もう1つ備えなければいけないものがあります。それは、何か?がんに罹患していない家族の生活を守るためのお金です。後で事例をもってお話し申し上げますけども、がん治療に必要なお金は、治療費とがんに罹患していない家族の生活を守るためのお金なんです。そうしたお金もしっかり家族のために準備していただきたい。これ2つ目のポイントです。3つ目、がんの治療で一番お金がかかるのが、再発転移の時、これなんでか?再発転移の場合には、もう健康保険使った治療、すぐに限界が来てしまって、全額自己負担で受けなきゃいけない、新しい治療も治療の選択肢として検討しなければいけない、そんなケースが出てくる可能性があるからです。再発転移の時にはお金がかかります。でもその時にも、お金の心配せずに治療に専念できる環境を作っておいていただきたい。これががんファイナンスの3つ目のポイントです。

ポイント⑤

まず、このことを頭に入れながら、後半はお話を聞いていただきたいというふうに思います。

重粒子線治療が受けられなかった患者さんの事例

重粒子線治療が受けられなかった患者さんの実際の事例についてお話をいたします。照射の条件を満たしていなかった、さきほど申し上げたように、重粒子線治療って先進医療です。国が決めた条件を満たしてなかったから受けられない、まあこれは致し方ない部分だと思いますけども、問題は下の部分ですよね。照射条件を満たしていたにもかかわらず、重粒子線治療が受けられなかった患者さんの実際の事例です。先ほどから出てきている株式会社M&Fパートナーズという会社は、お医者さんがたくさんいる会社ではないですね。あくまでも治療に関する情報提供していく会社です。患者さんから治療についての相談をお受けして、そしてその患者さんの状況を聞きながら、そういう状況であればこんな治療、こんな治療、こんな治療を受けられる可能性がありますね。それぞれの治療について、メリット・デメリット、費用のお話をした上で、患者さんが、じゃあその治療についてより詳しく話を聞きたい、おっしゃった場合には、その患者さんを実際その治療をやってらっしゃる先生の面前まで、責任もってお連れして、治療を実際やってらっしゃる先生から治療について詳しい情報を聞いていただく、そんな体制づくりしていくっていうのが、主たる業務なんですね。重粒子線治療についても同じです。患者さんからお話しを聞いていて、その患者さん重粒子線治療を受けられる可能性がしれないなと思った場合には、重粒子線治療のメリット・デメリット、費用のお話もしたうえで、患者さんがより詳しくお話しを聞きたいと言われた場合には、千葉県千葉市にあります放射線医学総合研究所、そこまで患者さんと一緒に行きます。で、患者さんには今まで検査データ、治療データを持ってきていただいて、それを実際に重粒子線治療をやっていらっしゃる先生に直接見ていただきます。「この状態で重粒子線治療が受けられるますか?」で、先生が、「大丈夫、受けられるよ」っていうと、患者さんと握手ですよね。「良かったですね。これであなたのがん、高い確率で治るかもしれない」。で、治療計画をたてて帰ってくるんですけども、今までに3人いらっしゃったんです。1週間くらいして、電話かかってきます。「やっぱり重粒子線治療やめます」、「えっなんでですか?」と言うと、「お金が集めきれなかった」と言うんですね。さきほどご覧になった方もいらっしゃると思いますし、ご存知の方もいらっしゃると思います。重粒子線治療を受けようとすると、314万プラスアルファのお金がかかるんですね。でも、そんな話って最初っからしていくわけですよ。じゃあなんで314万プラスアルファのお金、お持ちじゃない方が、わざわざ千葉までそんな話聞きに行くのか?今手元に314万プラスアルファのお金はないけれど、その治療を受けて、自分のがんが治せるのなら、家族のがんが治せるのであれば、お金かき集めてでも治療を受けたいと思うから聞きに行くわけです。で、先生から「大丈夫だよ。受けられるよ」って言われて、よし、お金集めようと思って、お金を集めにかかるんですが、集めようとしたお金が集まらないのも現実な訳なんですよ。お金がなくて治療が受けられない。本当に切ない状況です。がん治療現場においては、お金がなくて治療受けられない、困っている方がたくさんいらっしゃいます。たくさんいらっしゃる。で、今みたいな話っていうのは、決して新聞には載りません。テレビで特集も組まれない。でも、この東京都でもそうです。毎日こうしたことが繰りかえされている。それががんの治療の現場のもうひとつの、真の姿なんです。これからいくつか、お金にまつわる事例の話をしていきます。聞いているのもしんどくなるようなお話も出てくると思いますけども、そういうことが繰り返されている、それががんの治療の現場の現実なんだということ、是非しっかりとご理解をいただきたいという風に思います。

がん患者の収入

がんに罹患すると収入はどうなっていくのか。どのアンケート見ても収入は時間とともに減っていってしまいます。がん治療と仕事、両立できるか?多くの方が両立はできない、難しいという風にお答えになっていらっしゃいます。がんに罹患したことによって、お仕事をお辞めになっている方、自営の方をイメージしがちなんですけども、先日の日経新聞にも書いてありましたが、会社員の方、お勤めの方でも、がんが見つかって、患者さんの3割くらいの方が、お仕事をお辞めになっている。そんなデータがあるんです。がんに罹患すると、お金が必要になります。ところが、がんに罹患すると患者さんとご家族、お金的にはどんどん、どんどん、追い詰められていってしまう。これもがんの治療現場の実態でございます。

乳がん

ここから、治療費以外に大きなお金がかかった患者さんの実際の事例、乳がんの患者さんの事例のお話をしていきますので、今日本で爆発的に増えている、乳がんについて少しお話をしていきます。乳がんに関するこの数字、11人に1人、これはいったいなんなのか?これは、日本において、一生のうちに女性が乳がんに罹患してしまう割合なんですね。11人に1人。爆発的に増えているって言って、11人に1人かよって思われている方いらっしゃると思うので、もうひとつ数字見ていただきたいんですけども、16人に1人、これなんなのか?実は両方とも出所は同じ、国が発表しているデータです。出所は全く一緒なんです。16人に1人というのは、2009年の統計データをもとに国が発表した数字です。11人に1人っているのは、2012年の統計データをもとに、国が発表した数字なんです。つまりこの2つの数字見ていただきますと、わずか3年間で、5人増えているんです。この2つの数字、合わせて見ていただくと、日本で乳がんがいかに増えているか、激増しているのかご理解いただけるんじゃないかと思います。この数字、不定期に発表される数字ですけども、乳がん先進国なんて、嫌な言い方されているアメリカ、8人に1人なんですね。次回いつ発表されるかわかりません、この数字、11人に1人っていうのは、昨年発表された、2017年に発表された数字です。次いつ発表されるかわかりませんけども、次発表された時、多分アメリカの8人に1人にまた近づく数字が発表されるんだろうなという風に思います。2016年1年間に新たに乳がんに罹患する患者さんの数、国は9万人以上、そんな予想をしています。9万人という数、ちょっとイメージしづらいかもしれませんけども、東京で言うと東京ドーム、あの大きな球場のスタンドを満員にして、2試合分、2日分の観客の数、それが約9万人です。それぐらい多くの方が、1年間に、日本だけで新たに乳がんに罹患しています。

乳がん

2013年乳がんでお亡くなりになった患者さんの数、13,148人、そんな数字を国は発表しています。でも、このことを覚えておいてください。実は、人は乳がんだけでは絶対亡くならないです。じゃあ国が発表したこの数字、13,148人ていうのはどういう患者さんの数なのか?原発が乳がんだった、最初にがんができたところが乳房で、そのあとがんが転移していって、亡くなったことが確認されている患者さんの数、それが、13,148人です。乳がんっていうのは今、早期に発見すると治るがんになっている、そんなふうにも言われていますが、一方で乳がんっていうのは、発見が遅れた場合、非常に転移性の高いがんです。乳がんの発見が遅れた場合、ほぼ50%の確率で、肺に転移していきます。40%くらいの確率で骨に転移していきます。転移した先で、がんは大きくなって人は亡くなっていきます。何年か前に、余命1か月の花嫁ってお話がありました。もちろんあれ実話なんですけども、あの方乳がんで亡くなったことになっている、でもお読みになった方はお分かりだと思いますけども、あの方、肺がんで亡くなってます。人は乳がんだけでは決して亡くならない、そのこと是非覚えておいてください。それから乳がんの特徴として、罹患のピークが非常に若いということが挙げられます。がんっていうのは、子宮頸がんと乳がんを除くと、年齢が高くなるに従って、罹患率は上がっていきます。ところが、子宮頸がんと乳がんは違う。子宮頸がんの罹患のピークは、30才台前半ですし、乳がんの罹患のピークは、40才台後半です。非常に若い方がたくさん罹患してしまうがん、それが乳がんでございます。それから乳がん発生の原因、まだ本当の原因っていうのはわかっていませんけども、女性ホルモンの分泌期間の長い方が危ない、というようなお話もあります。また、多く影響しているという風に言われているのが、高カロリー、高たんぱくの欧米型の食生活の定着、そんなふうにも言われているんです。それから乳がんとストレスとの関係で、変わった論文があります。右胸にできる患者さん、長期間精神的なストレスをさらされていた患者さんが多い、そんな論文があります。まあ、職場の人間関係なのか、自宅へ帰るとご主人様なのかお姑様なのかわからないですけども、長期間精神的なストレスにさらされて方、右胸に乳がんができやすい、じゃあ左はどうなのか?これは、身体的なストレスだそうです。例えば、看護師さんに代表されるような、重労働、不規則な時間帯で長時間、常に体に負担のかかる仕事をされている方、左胸に注意、そんな論文がございます。

(実際にはここからまた事例をご紹介しております。ここでは割愛させていただいております。)

切除以外の乳がん治療①

女性が罹患しやすいがん、1位はもちろん乳がんなんですけども、以下大腸がん、胃がん、肺がん、子宮がんの順番になっています。でもこうしたがんも早期に発見すると治るがんだという風にも言われてますよね。ですから早期発見が何よりも大切です。よくそんな風に言われています。特に乳がんに関して言うと、早期発見大きなメリットがあります。まずは生存率が大幅に高まるということです。早期に発見すると生存率、非常に高くなるんですけども、発見が遅れる、要は転移した状態で見つかってくると、生存率が低くなって行ってしまう、ですから乳がんに関して言うと、早期発見すること、非常に大きな意味があります。それから早期の発見することによって、治療の選択肢が確実に増えるんです。また治療の選択肢が増えることによって、乳房温存の可能性が高くなっていく。ですから乳がんは、特に早期発見のメリットが大きいという風に言われています。乳がん治療なんですけども、基本的には乳がんっていうのは見つかると、全摘、温存は別にして、手術をしていきます。乳がんは、見つかると全摘、温存は別にして、手術をします。これは診療ガイドラインにそう書いてあるからですよね。乳がんが見つかって、手術しないケース、基本的には、見つかった段階で既に多臓器に転移していた場合、これは手術をしないんではなくて、手術ができないので、一般的には抗がん剤を使った治療をしていきます。で、お勧めするわけではないですけども、今治療現場で増えている手術、本来温存でもいいような患者さんが、全摘をして、同時に再建をしていく、全摘同時再建っていう治療が増えてます。これは何でなのか?実は今、乳房の再建に関して言うと、シリコン等のインプラントを使った再建、健康保険の適用になっているからなんですね。昔は、自分の組織の移植による再建しか健康保険適用になっていませんでした。それが今、健康保険適用にインプラントによる乳房再建がなったので、こういった手術を選択される方が増えています。でも女性の方とお話ししていくと、やはり乳房にメスを入れる、非常に抵抗感がありますという方がたくさんいらっしゃいます。じゃあなんでお受けになっているのか。他に治療の選択肢がないから、命にかかわる大病だからって思われているから手術をされているんだと思うんですけども、じゃあ本当に他に選択肢はないのか、というと早期の場合は、実はいくつも選択肢があります。今日3つだけお話をしていきます。ひとつめ、実は乳がんには凍結療法っていう治療方法があります。凍結療法、これどういう治療方法なのか?乳房に針を刺します。その針を特殊なガスで凍結させる、乳がんを局所的に凍死させてしまうっていう治療方法、これが乳がんの凍結療法なんです。これ乳房に針を刺すだけですから、もちろんメス入れません、手術痕等一切残りません。で、この治療、健康保険適用になっていないですね。ほとんどの方、会場にいらっしゃる方も、この治療についてご存じないと思います。それはなんでなのか?健康保険適用になっていないからです。健康保険適用にならないということは、診療ガイドラインに載っていない。つまり病院の先生からは、紹介されないからですよね。自由診療で今やっている治療です。自由診療、全額自己負担、高そうなイメージがありますけども、実は治療費、36万円くらいで済んでしまいます。36万円くらいで済むのであれば、受けられる受けられない別にして、検討してみたい、思われている方たくさんいらっしゃるかと思いますけども、先ほど申し上げた通り、健康保険適用外なので、病院の先生からは勧められないですし、この治療をやっている病院、全国に2か所、しかないわけです。ですから情報が行きつかないです。でも、2か所とも実は千葉県なんですね。2か所とも千葉県、ですからこのエリアっていうのは、治療施設が近い、でも近くても情報がないと、なかなか治療に行きつけないですよね。でも実際こんな治療を大病院でやってます。

 

切除以外の乳がん治療②

2つ目の治療法、これラジオ波熱焼灼(しょうしゃく)療法って読みます。これもですね、先ほど同じように、乳房に針を刺すんです。で、今度その針をラジオ波っていう高周波の熱で熱していって、乳がんを局所的に焼き殺してしまう、そんな治療方法です。これも乳房に針を刺すだけなので、手術痕等一切残りません。で、この治療も実は健康保険はまだ適用になっていないです。さっきお話をした先進医療に認定されています。先進医療に認定されているということは、やっぱり病院の先生から紹介されないですよね。治療費、30万~50万くらいで済みます。ですからこれくらいであれば、やはり検討してみたい、思われる方いらっしゃると思いますけども、先進医療、先生から提案されない治療、で、この治療を実際にやっていらっしゃる医療機関、全国で8か所しかないです。そのうちの1か所は、東京では築地のがんセンターってよく言われている、国立がん研究センター中央病院、近くなんですけどもやはりなかなか情報がないと、受けづらい治療になっているだというふうに思います。

切除以外の乳がん治療③

3つ目、さきほどちょっとお話をしました、鹿児島指宿にあります、メディポリスという、これは陽子線の治療を専門にやっている民間の治療施設です。で、ここの施設というのは、もともと切らずに乳がんを陽子線っていう特殊な放射線治療だけで直すことを目的として設立した医療機関なんですね。もちろん他のがんの治療も今さかんにやってますけども、ここはなんとか乳がんを切らずに、この陽子線で治したいということを考えてくださっていて、今でも積極的にいろんな臨床研究をしてくれています。ですから、この施設のことについては、是非覚えておいていただきたいという風に思います。

前立腺がん

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今女性のがんのお話をしましたけども、前立腺がん、男性で2016年以降、一番多くの方が罹患する、国が予想しているがん、それが前立腺がんなんですけども、前立腺がんも治療方法っていうのは、手術、放射線、ホルモン療法って言われますけども、基本的には手術をしますよね。で、手術した場合に、重篤な後遺症に悩まされる、そんな患者さんが結構いらっしゃいます。尿漏れと男性機能の喪失ってことなんですけども、先ほどの乳がんと同じように、手術しかない、思われて手術を選択されている方が、たくさんいらっしゃいますが、実は、先ほどの乳がん以上に、前立腺がんというのは、治療の方法がたくさんあります。さきほどご説明申し上げた、重粒子線治療、陽子線治療、これは非常に、この治療が一番効果が高いがんが前立腺がんだという風に言われていますから、非常に治療効果が高いんです。以前は先進医療でしたけど、今は重粒子線治療、前立腺がんに関しては、健康保険適用になってますよね。健康保険適用になると多くの方が、受けられるようになるのか?私はたぶん違うと思います。健康保険適用になっても今まで手術を優先する治療の実態は変わらないです。なぜか?やはり情報がないからですよね。それから小線源療法という治療方法があります。これも健康保険適用です。前立腺の中に針のような小さなカプセルを50とか100とかまとまった数、埋め込んでいって、前立腺の中から、がんに対して放射線を照射していく治療方法です。針を小さなカプセルを後で抜き取ったりはしませんけども、もちろん健康状態には影響ないようなカプセルなので、取り出しはしませんけども、ご心配はいただかなくて結構です。内部照射、中から放射線を照射していく、そんな治療もありますし、前立腺がんって、一般的に進行が決して早くないがん、進行が緩やかながんだと言われてます。PSA監視療法って言いまして、定期的に経過観察をしながら、すぐに治療をせずに、放置しておくような、そんな治療も実際には行われています。お聞きになった方いらっしゃるかもしれませんけども、ロボット支援手術、あのダヴィンチっていう機械を使って、今手術が行われているものがありますけども、このロボット支援手術、人間が行うよりも、より精度の高いミリ単位の手術ができるという風に言われてますけども、このダヴィンチを使った手術、前立腺がんの手術に関しては、健康保険適用になっています。ですから前立腺がんも実は治療方法、手術以外にもたくさんあるんだと、これ全てのがんに対して同じようなことが言えるということが言われてますけども、特に前立腺がん関しては、治療方法が多いので、もし前立腺がん罹患した場合には、しっかり情報をとっていただいたうえで、治療を選択していただきたいという風に思います。

ある大腸がん患者さんの事例

別の患者さんの事例です。この方もお亡くなりになってしまったんですが、39歳の時のお話です。もともとは、35才の時、大腸がんから転移した末期のがんが見つかってます。看護師さんをされていたんですけども、お子様がまだ小さかったんで、お仕事お辞めになって、実家の近くで治療をされました。この方、がん保険等がんに対するお金の準備をしてなかったんですね。ところがこのご家庭、マンションを買おうとして頭金に充てる予定のお金が500万円くらいありました。どのお金を使って治療をしたんですけども、この500万がどうなったのか?3回の手術とそれに伴う入院の費用、抗がん剤の治療費、家族の引っ越し費用、じつはご主人も今までのお仕事お辞めになって、奥さんの実家の近くで新しい仕事を探されてたんです。ご主人の新しい仕事が見つかるまでの生活費と払わなきゃいけない税金、保険料等々で、この500万円、わずか2年間で使い果たしています。ここのご家庭の場合、この赤で書かれた、家族の引っ越し費用以下の部分、これが治療費以外にがんに罹患して、家族の生活を守るために必要になったお金です。こういうお金が治療費以外に必要に案る可能性がある、このことも是非覚えておいていただきたいという風に思います。

ポイント⑥

6つ目のポイントです。がんは治療費だけでなく、自分と家族の生活を維持していくための費用も併せてかかわるということを押さえておいていただきたいと思います。

がん治療と収入・支出の一般的イメージ

ここまでのお話しまとめていきます。がんの治療、日本でも手術しかないような時代が長く続いたんですけども、今は新しい放射線治療の開発、抗がん剤の開発が進んでいます。それ自体はとってもありがたいことなんですけども、受けようとすると当然お金がかかるわけです。今お話ししたように、家族の生活を守るためのお金も必要になりますし、がんの治療で一番お金がかかるのは、再発・転移の時、それに対して収入はどうなっていくのか?収入は、時間とともに右肩下がりで、下がっていきます。支出はどうなっていくのか?これは逆に、時間とともに右肩上がりで上がっていくわけです。こういう状況の中で患者さんとご家族は、がんと闘われています。言い方を変えると、こういう状況に対応できるようにしておかないと、今がんとは満足に戦えないような現実が治療現場には、あるっていうことなんです。

で、この話するとしょっちゅう言われるのは、「わかった。お前の話はよくわかった。どこの会社のがん保険入ればいいんだよ?」よく言われるんですけども、がん保険は私も入ってますし、否定はしませんが、がん治療は、がん保険ありきではないってお話をします。がんが心配であれば、自由度が高い、自在性のある一時金、患者さんとご家族が使いたいように使える、まとまった現金を準備してください。そんな話をいつもしています。これなんでなのか?例えば20年前に加入したがん保険ですと、その時代にはまだ先進医療に対して保障する保険はほとんどありませんでした。あまり古いがん保険ですと、先進医療受けた、放射線治療受けた、抗がん剤治療を受けた、受けたってことに対してお金が1円も出てこないケースが起こりえます。これなんでだと思います?保険が悪いのか?そうじゃないですよね。20年たって、がんの治療方法が一変しているわけです。あとでお話ししますけど、今売られているがん保険、今のがん治療にはある程度合致してます。ところが、がんの治療方法が変わった瞬間、全く使えなくなってしまうようながん保険も実はたくさんあるんですね。それともうひとつ、皆様方と考えていきたいのは、先ほどもちょっとお話ししましたが、最先端のがん治療って健康保険適用になるかっていう話です。例えば、遺伝子の治療、免疫の治療、確かに今、日本でも末期のがん患者さんに対して、延命治療が確認され始めているような、新しい治療方法、あるんですけども、どんなに治療効果高かったとしても、最先端のがん治療って、間違いなくすぐに健康保険適用にならないですよね。最先端のがん治療を受けようとすると、治療費は自由診療、全額自己負担になっていきます。自由診療、私たち自由診療の治療って、受けることになるんでしょうけども、自由診療って一般の方は、美容整形や歯科矯正、イメージされると思います。あと自由診療に関して、悪いイメージをお持ちの方もたくさんいらっしゃると思うんですけども、じつはがんの治療現場には自由診療の治療たくさんあります。なんでか?実はがんというものは、これだけ多いにもかかわらず、ほとんどのがんが今でも原因がわかっていない、がんで原因がわかっているものって、子宮頸がん、胃がんと、肝臓がん、それぞれ一部だけです。あとは全部、今でも原因がわかっていない。原因がわかっていないから何が起こっているか?これは日本だけではなく、全世界的にっていうお話ですけども、毎年新しい治療方法がどんどん開発されている、それががんの治療現場の特殊性です。で、新しい治療方法、そんなに治療効果が高くても、開発された瞬間から健康保険適用には、決してならないわけです。つまり、最先端のがん治療を受けようとすると、必ず治療費は自己負担になる、これは治療の仕組み、ルールです。是非、覚えておいていただきたいという風に思います。それからスクラムジャパン、これお聞きになったことある方いらっしゃるかもしれません。スクラムジャパンっていうのは、全国約200の医療機関と10数社の製薬会社がタッグを組んで、遺伝子に着目した新しいがんの治療方法とか、治療薬の開発を今行ってくれているですね。この中からも、新しい治療方法、治療薬が生まれるはずですが、先ほどのお話し、どんなにすばらしい治療薬、治療方法が生まれたとしても、開発された瞬間から健康保険は、絶対適用になりません。ですから、高額な治療にも対応できる「一時金」を確保しておくことが、がん治療には必要だということ、このこと是非ご理解をいただきたいという風に思います。

オンコプライム検査

それから、これからのがん治療を象徴するようなお話がございます。実際に京都大学病院で行われている検査のお話なんですけども、非常に大切なお話しでございます。クリニカルシーケンス検査の中で、オンコプライム検査っていう検査が、京都大学病院で行われています。で、これどんな検査なのか?遺伝子の検査なんです。がんというのは、遺伝子の異常で発症する病気です。で、今までがん治療、例えば抗がん剤や分子標的薬を使って治療をしていく場合、乳がんの患者さんには、乳がんの抗がん剤や分子標的薬を使って治療をしていました。大腸がんの患者さんには、大腸がんの分子標的薬、抗がん剤使って治療していました。でもこれからは治療方法が変わっていくんです。この患者さんは、どこの遺伝子が傷んでいるでがんを発症しているのか?原因を探しに行きます。で、この遺伝子が傷んでいるからがんを発症しているんだ、原因が見つかったら、その傷んでいる遺伝子に対して、治療効果のある薬剤がすでに開発しているかどうか、今度治療薬を探しに行きます。見つかったら、その治療薬使って治療していく。そんな治療がこれから始まっていくんです。で、この京都大学で行われているオンコプライム検査、1回の検査で、250前後の遺伝子の異常が確認できる新しい検査です。で、これからのがん治療、例えば傷んでいる遺伝子がこの遺伝子です。それに対して、治療効果の高い薬剤はこれです。見つかった時、乳がんの患者さんに対して、例えば大腸がんの抗がん剤使っていく。すい臓がんの患者さんに対して、肺がんの抗がん剤使っていく、分子標的薬使っていく、そんな治療が始まっていきます。皆様に見ていただきたいのは、この真ん中のデータなんですね。この検査を受けにくる患者さんってどんな方なのか?健康保険使った治療が受けられなくなった方、つまり余命宣告されているような、最末期の方が受けに来られる検査なんです。京都大学病で、2015年4月から16年10月まで、約1年半の間にこの検査、88人の方がお受けになっています。遺伝子解析して結果、実に82人の方で、がんを発症している原因の遺伝子が突き止められてます。で、今度この82人の方に対して、じゃあその遺伝子、傷んでいる遺伝子に対して、すでに治療効果の確認されている薬剤が開発されているかどうか、調べたところ、71人にすでに、効果の高い薬剤の開発がされているということまでわかったんです。原因がわかって、治療薬が見つかった、次に何します?治療なんですよ。ところが71人に対して、実際に治療お受けになっていらっしゃる患者さんの数、わずか19人です。これ割合にして、26.8%、低いと思いません?なんでこんなに低いのか?先ほど申し上げた通り、この検査をお受けになっている患者さんっていうのは、ほぼ100%最末期の方なんです。健康保険の適用の治療が限界にきている、全身にがんがある患者さんです。全身にがんがある患者さん、この検査は、一旦検査結果出るまでに、データをアメリカに飛ばしますから、1か月半くらい時間がかかるんですね。全身にがんが転移している患者さんというのは、容体が急変することがあるんです。ですから、その1か月半の間に、亡くなっている方もいらっしゃると思いますが、私はそれだけでないと思います。この検査、実は検査自体が自由診療、全額自己負担です。検査だけで、883,980円かかってます。さっき申し上げた通り、健康保険使った治療が受けられなくなっている患者さんが受けに来ます。提案される治療、100%自由診療になるんですよね。さっきの抗がん剤、分子標的薬のお話しなんですけども、乳がんの患者さんに乳がんの抗がん剤、分子標的薬を使うから健康保険適用です。大腸がんの患者さんに対して、大腸がんの抗がん剤、分子標的薬を使うから健康保険適用になるんです。乳がんの患者さんに対して、大腸がんの抗がん剤、分子標的薬を使ったらどうなるのか、健康保険は適用にならないんです。乳がんの抗がん剤は、乳がんに使うから健康保険適用です。大腸がんの分子標的薬は、大腸がんの治療に使うから健康保険適用になるんです。他のがんに使った場合、治療費は全額自己負担になります。検査だけで約90万です。提案される治療、300万、400万、500万、そんな治療が提案されていて、だから受けられない方が多いんだろうな、私はそれを見てそう思いました。それともう1つ、見ていただきたいのは、この右側のデータですよね。この検査をお受けになっている患者さんの年齢構成です。実は全体の57%が60歳以下、若い方なんですよ。がんっていうのは、子宮頸がん、乳がんを除くと、年齢が高くなるにしたがって、罹患率が上がっていく。ところが、この検査を受けに来ている方っていうのは、圧倒的に若い人が多いんです。なんでだと思います?死ねないからですよ。家族がいる、今自分が倒れるわけにはいかない。だから、90万も払って検査を受けている。なんとしてでも、助かりたいと思うから、受けに来ているんだと思います。その結果が26.8%ですよ。これが現実です。それと皆様方に、もうひとつ意識していただきたいのは、この検査、行っている医療機関が京都大学病院だっていうことです。京都大学病院というのは、今までもちろん健康保険使った治療をしてきた、日本を代表する大病院です。その病院で自由診療の検査、自由診療の治療が始まっているわけです。これがその辺のよくわからないクリニックがやっている検査じゃないわけですよ。あの大病院、京都大学がやっている。それから今、この検査をやっているところ、私の知っている限り、全国の7つ大学病院でこの検査が行われています。東京では築地のがんセンターって言われている、国立がん研究センター中央病院、日本で最高のがん治療をやっていると言われている病院のひとつですけども、そこで昨年の4月からこの遺伝子検査が先進医療として行われるようになっています。何が言いたいのか?今後の治療の、間違いなくこれがひとつのスタンダードになっていくということです。でもこんなお金のかかり方します。すぐに健康保険適用にはならないです。こういったお話し、聞かれない方っていうのは、特にお金の準備、意識されないんだと思います。お金の準備を意識されないと、この26.8%って数字、こういった治療が今後進んでいくにしたがって、この数字はもしも何も情報がなければ、もっともっと低くなっていってしまうんだろうな、というふうに思います。ちなみに、首都圏では、この検査、千葉大学病院、横浜市立大学病院で受けることもできます。それから私立病院ですけども、順天堂大学病院でもこの検査を行っております。是非このことは覚えておいていただきたいというふうに思います。

後半のまとめ

納得できる治療を受けるためには何が必要か?前半で、情報だと申し上げました。もう一つ必要なもの、それは間違いなくお金です。でも、がんの患者さん、がんに罹患する前に、がんになるとどんなお金がどんなふうにかかる可能性があるのか、聞かれたことない方がほとんどなんです。国が言うがん教育って、こういうことを含めてのがん教育です。国が言っているがん教育は、我々が抗がん剤、分子標的薬の名前を覚えるということではないですよね。こういったことをしっかり聞いておいていただきたい、理解しておいていただきたい、それが国が言うがん教育の一部なんだという風に思います。どんなお金がどれくらいかかるのか、聞いたことない方がほとんどなので、がんに罹患して初めて、こんなに大きなお金がかかる、びっくりされる方がたくさんいらっしゃるわけです。もしみなさまのご家族ががんに罹患してしまって、受けたい治療がそこにあるのに、お金がないから受けられない。そんな状況に遭遇してしまった時に、納得できるかどうか、是非この機会に考えていただきたいと思います。

確認します

確認します。がん治療に必要なもの、世間では先進医療とかがん保険って言われてますけども、本当に必要なものは、自分の意志で自由に使うことができる、自在性のある「一時金」。患者さんとご家族が使いたいように使える、まとまった現金ががん治療には、必ず必要です。なんで必要なのか?確認していきますけども、私たちががんに罹患した場合、日本で受ける可能性のある治療って3つありますよね。ひとつは誰もが必ず受ける健康保険適用となっている治療です。2つ目は、まだ健康保険が適用になっていない、自由診療って言われる治療、3つ目は、その中の一部、国が承認している先進医療って言われている治療。私たち、がんに罹患するとこの3つの治療を受ける可能性があるわけです。で、健康保険適用の治療以外、この下の2番3番、これはもちろん健康保険適用外なわけですから、もちろん治療費は全額自己負担になること、あらためてご理解をいただきたいと思います。

がん治療に必要な3つのお金

それを踏まえてがん治療に必要な3つのお金、まず健康保険が適用となる標準治療、安心して受けられるためのお金の準備が必要となります。2つ目、先進医療も含めてってことなんですけども、全額自己負担で受ける治療、安心して受けられるための準備が必要になってきます。3つ目、治療費以外、大切な家族の生活を守るためのお金が必要になってくる。これなぜならば、がんというのは、いつ、どんな状態で見つかるかわからないから。冒頭申し上げたように、全体の4割の方は、転移した状態で、がんが体の中に複数ある状態でがんが見つかっているということ。それと、見つかった時に、どんな治療方法が開発されていて、どんな治療を受けたいと思うのか?受けさせてあげたいと思うのかわからないからです。これががんの特殊性ですよね。さらに、家族の生活を守るために、治療費以外に大きなお金がかかる可能性がある。だからこうしたお金をしっかり準備しておいていただきたい。これはがんの治療現場で、患者さんとご家族を見てきた上での実感でございます。

一般的ながん保険の検証

さきほどちょっとがん保険のお話も少しふれたので、がん保険について、一般的なお話をしたいと思います。一般的ながん保険、がんが見つかると、100万円とか50万円とかまとまった一時金が支払われます。そのあと入院すると、手術すると、抗がん剤治療すると、通院すると、それぞれ決まった金額が支払われる。まあ、現在の一般的ながん保険ってこんな形なっているんだと思います。じゃあこのがん保険の、課題って言いますか、治療現場とのギャップみたいな部分についてちょっと皆様方に知っておいていただきたいお話があるのでお話しします。まずがんが見つかった時に、100万円とか50万円、一時金がポーンと出てくる、そんながん保険がありますけども、今日のお話お聞きいただくと、お分かりだと思いますが、この100万円少し足りないんだと思います。早期の方、早期で発見された方っていうのは、3割負担の治療をお受けになって、自己負担額の合計が15万とか20万で治療終わっている方も実はたくさんいらっしゃるんですね。ですから早期の発見された方に関して、この100万円は必要ないんだと思いますし、全体の4割くらいの方、転移した状態で見つかると申し上げました。そうなった場合、この100万円では足りないようなケースがたくさん出てくるんだと思います。ないよりあったほうがいい金額。末期の患者さん、転移した状態でがんが見つかった患者さんに関しては、100万円ってそんな位置づけのお金になってしまうんだと思います。それから、入院すると、手術すると、抗がん剤治療すると、通院すると、全部やったことに対して、後払いですよね。ということは、一時的に治療費の金額に立て替え払いが発生する可能性があります。盲腸はいいですよね。大した金額じゃないですから。でも、がんの場合は数十万のお金を長い場合数か月間、立て替えしておかなければならない、そんなケースも出てきます。治療費の立て替え払いの発生可能性がある、このことぜひ覚えておいていただきたい。それから、がん保険のパンフレット見ていると、あれも出る、これも出る、全部出るって書いてあるような気がしますけども、あれ約款っていう、小さな字がいっぱい並んでいる本がありますけど、あれ読んでみると、いろいろなこと書いてあるんですね。例えば手術したら手術給付金払いますよ。ただし、健康保険適用の手術したらねって書いてあるわけです。抗がん剤治療とかもそうですよね。抗がん剤治療したら決まったお金払いますよ、ただし健康保険の抗がん剤治療したらね、つまり、まだ健康保険が適用になっていない、自由診療の治療した場合、がん保険、がんが見つかったら、一時金をお支払いします。それ以外ほぼすべての項目が支払い対象外になる。そんながん保険がたくさんありますので、ご自身がん保険ご加入になっている方は、ご自身のがん保険がどういう条件で払われるようになっているのか、それ確認していただきたいと思います。それから、この頃、がんと診断された時に払われた大きな一時金、まあ大きなって言っても100万円とか50万円ですけども、2年に1回、5年に1回、中には1年に1回って会社もありますけども、何回でもお支払いしますってものがありますが、再発・転移の時考えた場合に、やはり100万円では少し足りないんだろうな、という風に思います。日本は、がん治療イコールがん保険って考え方があるようですけども、がん保険に加入しているから、決して安心できるということではない。それが今がんの治療現場の現実なんだということ、合わせてお理解いただきたいと思います。

がんと闘うための3つの力

それではまとめに入ります。がんと闘うための3つの力。まずひとつめ、経済力。今お話をした、がんファイナンスのお話です。2つ目、知識力。これは情報の取得能力というふうに読み替えてください。がん治療って実は情報戦だったりします。常にがん治療に関する、新しい情報に接することができる体制作り、しっかりとしていただきたいというふうに思います。3つ目、希望力。これは、人間の免疫力のお話です。アメリカでこんなお話がありました。余命1年を宣告された女性。子供もいるので、その1年を少しでも延ばしたかった。この方は、抗がん剤治療を始めたんですね。ところが、3か月やって、あまりに後遺症が、副作用が大きいので、抗がん剤治療おやめになりました。まだ体が自由に動くので、自分のやりたいことをやって、最期を迎えたい。この方は、グルメとガーデニングと旅行だったそうです。で、日々笑顔で自分のやりたいことしながら、笑顔で暮らすように心がけた。9か月後どうなってたか?がんが消えてたっていう話があるんです。で、これは、笑っていればがんが治りますよっていう話ではもちろんないんですけども、時として人間の免疫力それだけ強い力を発揮する可能性もある。そんなこともあるんです。冒頭2人にひとりががんに罹患するというお話申し上げました。多いなって思いながらも、そのひとりは自分じゃなくて、おとなりさんって思っている方もいらっしゃるかと思うんですよ。あの、これなる前提ではもちろんないんですけども、もし2人にひとりががんに罹患するっていう現実があるんだとしたら、それに対して今できることは、今しておいていただきたい。で、もしがんに罹患してしまった時、前向きにがんと闘っていっていただきたい。そんなふうに思います。今日がんに関して2時間にもわたって、いろんなお話をさせていただきましたが、今日のこのお話が皆様方と皆様のご家族ですね、今後のがん対策に少しでもお役にたつようであれば、幸いでございます。

冒頭の事例の患者さん

最後に冒頭ご紹介差し上げた、上顎洞がんを患った患者さんが、がんの告知と手術の提案を受けた後どういった選択をされたのか?それをご紹介して結びとさせていただきます。

冒頭の事例の患者さん

この患者さんは、結論から言うと、最終的に手術を回避されました。途中先進医療のパートでご案内した、人間の免疫を利用した治療のひとつ、樹状細胞のワクチン療法という免疫療法を選択されました。なぜこの患者さんは両目と鼻を同時に切除する手術を回避できたのか?今日セミナーを聞いていただいた皆さまはお分かりになったかと思いますが、「情報とお金」があったからです。冒頭2人にひとりががんに罹患するというお話申し上げました。多いなって思いながらも、そのひとりは自分じゃなくて、おとなりさんって思っている方もいらっしゃるかと思うんです。あの、これなる前提ではもちろんないんですけども、もし2人にひとりががんに罹患するっていう現実があるんだとしたら、それに対して今できることは、今しておいていただきたい。で、もしがんに罹患してしまった時、前向きにがんと闘っていっていただきたい。そんなふうに思います。今日がんに関して2時間にもわたって、いろんなお話をさせていただきましたが、今日のこのお話が皆様方と皆様のご家族ですね、今後のがん対策に少しでもお役にたつようであれば、幸いでございます。それでは定刻になりましたので、本日のセミナーこれにて終了させていただきます。長時間にわたりまして、ご清聴ありがとうございました。

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