保険コラム

   1000件の保険相談でたどり着いた
  「保険に対する考え方」
   ~保険と家計のはなし~

「医療保険どれがおすすめ?」
「がん保険って入った方がいい?」
「おすすめの保険は?」

来店型保険ショップには、様々なお悩みを持った方が来られます。私もその中で、過去約1,000件のお客様からの、様々な保険に関する相談を受けてまいりました。皆様もこれを見る本日も、相談にいらっしゃるお客様へアドバイスをされているのだと思います。

ここでは、私自身が1,000件の相談実績から学んだ、保険に対する考え方について、特にまだキャリアの浅い来店型保険ショップ店頭スタッフの方へ、お伝えしてまいります。そういった方のスキルアップにつながれば幸いでございます。

#1「保険をかけるということ」

先日公表された(公財)生命保険文化センターによる「平成30年度  生命保険に関する全国実態調査(速報版)」によると、生命保険(個人年金保険を含む)の世帯加入率は、88.7%ということで、減少傾向はあるものの、依然として高い水準にあります。多くの世帯において、何らかの生命保険に加入をしているということです。一方で、同調査の中の「生命保険に関する知識」という項目における調査において、66.6%の方が、生命保険について「ほとんど知識がない」という回答をしています。

保険に加入される方の多くが、「結婚したから…」「子供が生まれたから…」といったライフイベントの折に、生命保険を考えるのだと思います。ただし、自分自身でふさわしい保険を選んだりすることは難しいため、保険会社の営業担当者や保険ショップなどで、お勧めの保険を紹介してもらい、加入しているのだと思います。ただし、結果として保険契約者の多くの方が、生命保険について「ほとんど知識がない」という回答をしているということは、ご自身で選ぶということをしていないことの現れなのだと思います。

「保険をかけるということ」はどういうことなのでしょうか。生命保険会社などの保険商品は、基本的には何か事故や病気などが発生した場合に、その保険に加入していた人、もしくはその家族へ「金銭」をお渡しし、経済的なところを助けてくれるものです。ほとんどの方は、何かアクシデントが発生したら、おそらく困るであろうという感覚から生命保険に加入していると思います。

決して安くはない家計出費(保険料)をして加入している生命保険。やはり明確な目的を持ったうえでご加入いただきたいと思っています。募集人の方も、是非ご自身の大切なお客様に、その保険に加入する目的をしっかりお伝えいただき、納得した保険をご提供いただきたいと思います。

#2「保険で何を守るのか?」

ご自身が加入する保険で何を守ってもらうのか?多くの方が、「病気になってしまった時の医療費」「家族の生活費」といった感覚をお持ちなのだと、話をしていて感じます。もちろん間違っていないと思います。ただ、私がお話しさせていただく方には、もう少し違う表現で、シンプルかつ明確にお伝えしております。

私は、

保険=家計を守るもの

と考えています(個人や家庭を対象とした保険のケース)。そしてもう少し補足して、

保険=今の家計と将来の家計を守るもの

とお伝えしていました。仮に何かアクシデントが発生しても、今までの生活水準が保てるのか?もしそのアクシデントが長引いたとしても耐えられるのか?保険の必要性はこの点に尽きると思っています。

このことを問いかけた時に、多くの方はアクシデントの種類によっては、今までの生活水準を保つことは難しいとお答えになります。そうなんです。まず保険を考えるにあたっては、どういったアクシデントが発生すると経済的に困るのかということを明確にすることが大切です。また、そのアクシデントによって、どの程度経済的に困るのかという数値化も併せて大切になってきます。

この2つのポイントを押さえずに保険に加入するということは、もしかしたら保険に加入することで、逆に今の家計を圧迫することになるかもしれません。場合によっては、時間が経過した時に、その必要性が薄れていく可能性があると思います。このアクシデントの種類と数値化こそ、保険募集人がお客様へ提供すべきものだと思いますし、それこそがお客様が保険に加入する根拠となるものだと思っています。

#3「保険に入るタイミングって?」

初めてご自身で生命保険を考えるという若い方の相談が増えてきています。私自身、大学を出た後(20数年前)は公務員だったので、初めての保険加入は職場にいらっしゃる外交員(いわゆるセールスレディ)からでした。当然?ですが、加入にあたって深い考えがあったわけでなく、また特別加入したいとも思っていませんでしたが、何となくそういうものだと思って、申込書に印鑑を押しました(2年後くらいに解約しましたが)。

まず相談、立ち止まって考える機会を作る方が増えてきていることは、非常にすばらしいことだと思います。そういった方たちから、「加入するタイミングって、いつがいいんですか?」と聞かれます。もちろん、保険の種類や家族状況等により、多少はタイミングという考え方もあるかとは思うのですが、私は「このタイミングになったら加入」という感覚は、あまりお勧めしません。

やはり保険で守る出来事というものは、万が一の出来事です。いつその出来事が起こるかわからない。今アクシデントが起きたら手元の預貯金などで、対応できるのか?その状態が続いても耐えられるのか?難しいのであれば、今がまさに加入を考えるべきタイミングなのだと思います。将来に対する不安も多い今の世の中ですが、まずは今をという観点から考えていただきたいと思います。

ただ、今を軸に話していくと、特に若い方を中心に、現時点での発生確率という発想が、高い確率で出てきます。保険は年を取って病気のリスクが高まった(発生確率が高まった)から加入するものではないこと、あくまで今と将来の家計を守るものだということを丁寧にお伝えしていく必要があると思います。その納得感のために、ライフプランシミュレーションが存在するのだと思いますので、保険募集人が保険の話の前にその話ができるかどうかが、相談の質を決めるポイントなのだと思います。

#4「『大きな病気⇒死』という時代ではない!」

例えば新婚さんご夫婦のご相談で、どんな保険についてのご相談か伺うと、「生命(死亡)保険と医療保険」という回答をいただくことが、非常に多いです。これももっともな話だと思います。結婚をしたり、子供ができたりすると、そういった保険の加入を親から勧められたりもすることもあると思います。

ただ近年は、あらたに保険加入を考える方に対しては、より丁寧に、今出てきた以外のシナリオについても、イメージしながら考えていただいていました。それは、大きな病気やアクシデントが起こったが、亡くなっていない、しかも復帰ができていないという状態です。「がんになりました!⇒亡くなりました!」という時代ではなくなっています。ですからがんなどの大きな病気になってしまって、命は取り留めたけど、働けない(稼げない)状態が経済的には非常に厳しい状態ではないでしょうか。

最近ですと、女優の樹木希林さんが思い出されます。名女優で、ファンも多い方でしたが、残念ながら先日お亡くなりになりました。あの方折に触れてご自身のがんのことをお話になっていましたが、最終的にはがんと10数年付き合っていました。がん治療をしながら、女優業も全うされていました。「がん=死」という時代ではないということです。どこに保障の重点を置いていくかということに、時間をかけるようにしていました。

「子供が生まれたから生命(死亡)保険」「社会人になったから医療保険」のような従来の保険のイメージで、どの商品が良いのかを考えても、そもそも本当に守るべきところはそこだったのか?ということになりかねません。私は自身が主催する研修で「生命保険が届かない!!」というテーマの話をよくしています。自分が若くして亡くなってしまった時に、妻と子供に生活費と学費を残してあげるはずだった生命保険。大きな病気になり、仕事もできなくなった。でも命はとりとめている。稼げないから加入している生命保険の保険料が払えなくなり、最後には解約に至る。こんなシナリオが起こりえるということを、是非募集人の皆様方から多くのお客様へお伝えいただきたいと思います。

#5「なぜ医療保険に加入したい?」

「医療保険に加入したい」という相談が、いろいろな相談の中でも、たぶん一番多いのではないかと思います。「就職したので医療保険くらい入っておきたい」「親から医療保険くらい入っておきなさい」「結婚したので、とりあえず医療保険くらい入っておきたい」などなど、世の中の皆様にとって、医療保険という保険は、何か身近で、かつどこかのタイミングで加入する保険といった印象があるのでしょうか。

実際、医療保険はCMでも目にする通り、最低限の保障であれば、月々2,000円~3,000円程度で加入ができるものなので、何も保険がないのも少し不安だから、それほど家計負担もない「医療保険くらい」は加入したいといったお気持ちになるのかもしれません。これも心情的にはわかるような気もします。お客様においては、「安い保険がいい保険」というイメージがあります。

医療保険は、言葉を変えると「入院と手術」に対する保険と言ってもよいと思います。入院、手術に対して保障がされる保険なので、比較的短期間を守ってくれる保険ということです。対象となるのが、あらゆるケガ、病気のため、先ほど出てきた「大きな病気になってしまって、命は取り留めたけど、働けない(稼げない)状態」も守ってくれると考えている方がけっこういらっしゃいますが、これはかなり危険な勘違いです。

昔と比べ「入院の短期化」ということをよく耳にします。こんなことを言うと保険会社の方に怒られそうですが、私は、医療保険は必要保険だとは思いませんし、とりあえず入るならば、入らなくてもいい保険だと思います。「医療保険」何か非常に響きの良い言葉で、一般のお客様は、良いイメージの保険だと思っています。言い方は悪いですが、お客様が良い(加入したい)イメージを持っていて、かつ最初から「医療保険に加入したい」と相談してきます。パンフレットをいくつかご案内したら契約が取れてしまう保険ですが、やはりプロとして、その必要性についてしっかりお伝えしていただきたいと思います。

#6「『がん保険に入っていて助かった!」人はどんな人?」

お客様の中で、ご来店のきっかけが、知人でがんになった方がいて「がん保険に入っていて助かった」「がん保険は入っていたほうがいいよ」ということを聞いた方が、けっこういらっしゃいます。誰しもがんになってしまうと、大きなお金がかかるという印象をもっていますし、身近な方からリアルな話を聞くと、自分も入っておきたいと思うのは当然だと思います。

ただし、

がん保険=がんに対して万全の備え

とは思っていただきたくないと思っています。これは、もちろんがん保険を否定しているということではありません。がん保険に加入していれば、あらゆるがんに対して万全と思ってしまうと、実はそうではない場合があるので、注意が必要です。がんにもステージがあります。ステージⅠやⅡのいわゆる「早期」という段階でがんが見つかった方は、ある程度のがん保険で対応ができることが多いと思いますし、場合によって先ほど話題に出てきた「医療保険」でも助かったと感じられることはあります。

ところがステージがⅢやⅣのいわゆる「進行期」となると、医療保険やモノによってはがん保険でも十分な保障が受けられないケースがあります。がんのためにがん保険に加入していたのに、がんが進行していくと助けにならないといったことも起こりえますので、その時代のがん治療の実態に照らして、どういった保険にすべきかを考えていく必要があります。

私も自身の研修で「がんセミナー」は最も力を入れて行っています。生命保険を考える時に、がんのことを正確に理解し、かつわかりやすく伝えることができれば、すべての分野の保険(生命保険の分野です)のコンサルティングが可能だと思ってもいます。多くの日本人が不安に感じている「がん」、ただしその実態を正確には知らない「がん」。是非募集人の皆様から正確な情報をお客様へご提供いただきたいと思います。

#7「『保険はお金を払えば加入できるもの』という勘違い」

私自身も、この仕事を行う前は当然知りませんでしたが、生命保険の分野に関しては、ほとんどの場合、健康状態の診査を受けて加入できるかどうかがわかります。つまり入りたいから入れるというわけではないということです。住宅ローンも審査があるのと同じく、本来はごく当たり前の話です。ところが、住宅ローンの審査は当たり前だけど、生命保険の診査は「えっ診査があるんですか?」という方もいらっしゃったりします。

もう数年前になりますが、ある60歳代くらいのご夫婦といった感じの方がお店にご来店し、お話を伺うと、「娘が乳がんになってしまったので、がん保険に加入してあげたい」とおっしゃられました。当然ですが、がんの診断を受けてからがん保険に加入することは、ほぼできません。非常に気の毒ではありしたが、その事実をお伝えいたしました。

住宅を買う時は、多くの方が人生最大の買い物をするので、慎重に検討しますが、生命保険は、職場の外交員、知り合い及び保険会社に就職した親族からお願いされて、付き合いで加入するものという雰囲気の時代が長くありました。しかも家は契約とほぼ同時に手に入れるのに対し、保険は効果を発揮するのがいつのことだかわからないし、形もないものなので、自分で真剣に考えるという雰囲気は全く醸成されてきませんでした。これの是非を今問うことには意味はないと思います。

保険はそもそも元気な時に、万が一に備えて加入するもの。ですから、なんでもかんでも加入する必要はありません。ただし、本当に必要だと思う保障について、先延ばしにしたことにより、加入することができなかった。保険は入りたい時に入れないリスクがあるということを、プロの募集人の皆様から多くのお客様にお伝えいただきたいと思います。

#8「損害保険の落とし穴!」

損害保険の分野は非常に多岐にわたりますが、ここでは一般消費者向けの保険の話をしていますので、皆様に身近な、「自動車保険」「火災保険(地震保険)」などについてお話いたします。落とし穴とはどういうことか?実は今あげた2つの保険ですが、ともに物(自動車と家)に対してかける保険です。

多くの方が、どのような経路で保険に加入しているかというと、一番多いのは、その物(自動車や家)を販売する業者さん(自動車ディーラーやハウスメーカーなど)から、売買契約とともに加入する形です。これ自体は、同じ場所で手続が済んでしまうというメリットがあり、けっして問題があるわけではありません。ただ、本当に多いのが、全ておまかせで加入してしまっており、自分で補償内容を知らないというパターンです。

自動車保険に関しては、大きな事故が起こってしまったら、命にかかわるような事例にもなり得ること、火災保険に関しては、自分の財産であるマイホームが失われてしまう可能性があること、それが保険で守られているのかどうなのか?これはしっかり把握しておく必要があると思います。また、できればプランも自分の意思で選ぶことが大切だと思います。特に火災保険では、「まさかこの内容で保険金がおりるとは思わなかった」という事例が起きています。火災保険イコール火事だけの保険ではなくなっていますので、自分の保険の内容には目を向ける必要があります。

生命保険と同じように、加入前に自分でじっくり考えるものという雰囲気がないので、募集人の方から声掛けをしていく必要はあるのだと思います。損害保険の分野も保険なので、もちろん万が一という世界の話ではありますが、自動車であれば、最近の高齢者の事故の問題、火災保険では、昨今の異常気象による災害と、考えるきっかけになる事例がたくさん起こっています。今世の中の多くの方に、深層心理的のところで、何らかの不安を感じている方は多いと思います。是非こういった機会に、プロの皆様から声掛けをいただきたいと思います。

#9「『しょせん保険だから…』の意味」

私自身も10年間来店型保険ショップの店舗内で仕事をしてきましたので、いろいろな方とお話しする機会がありました。中には表題の「しょせん保険だから…」という感想、発言をされる方がいらっしゃいました。その方の思いもそれぞれだと思いますが、やはり「毎月保険料は払わされているけど、結局一度も事故もなく終わり、最終的に払い損(掛け捨て)になるもの」という思いがあるのだと思います。

その通りなのです。でも事故がなく満期を迎えることは一番いいことなのです。その時に、払ってきた保険料のことは考える必要はないと私は思います。だから、本当に自分で、「ここには保険をかけておこう!」という意思で選んでいくことが大切だと思っていますし、保険はあれもこれも入る必要はないと思っています。

そのために、自分と家族の人生を俯瞰的に見渡して、「これは起きたらまずいぞ」ということがあれば、そこに対して保障をかけていくし、それに対する対価(それが保険料)を、毎月の家計から支払っていく。保険料については、家賃や電気代と私は同じものだと思います。

「しょせん保険」から「ここは保険」とお客様になっていただくために、必要なことはイメージしていただくことだと思います。保険について真剣に考える習慣がなかったお客様にそれをしていただくことは簡単ではありません。一般的な営業職よりも丁寧でかつわかりやすいプレゼン力が募集人には必要なのだと思います。

#10「掛け捨て保険はダメな保険?貯蓄型保険はいい保険?」

私自身、保険の仕事を始めたばかりの頃は、いわゆる「掛け捨て」と言われるタイプの保険について、「何もなかったらもったいない…」という気持ちを持っていました。現役時代に亡くなる可能性とか、入院する可能性ということを考えてしまうと、なるべく貯蓄性の保険に多く保険料を払った方が、将来の役にもたつという感覚でした。

もちろんどちらのタイプも、比較すればメリット、デメリットがあるわけですが、長く保険にかかわってきて、現在はきっぱり「掛け捨て保険を基軸に」と思っています。理由はいたってシンプルです。保険料が安いからです。ただ安いからいいということではなく、浮かせた保険料を「自分への投資」や「資産運用」に回してほしいからです。これらのことを行っても、貯蓄型保険に加入する余裕のある方は、そちらを選択してもいいと思います。この思考の順番が非常に大切です。

なぜなのか?貯蓄型保険の貯蓄性では、基本的には将来の資産形成を十分に行うことができない(例外はありますが)からです。また、別のページでもお話しますが、ひと頃に比べると「外貨建て保険」が身近になっています。円建ての一般的な保険よりも利回りがいいですよといった売り文句で、契約される方も増えてきています。もちろん円建てよりはいいですが、将来のための資産運用としては、やはり十分とは言えないと思います。外貨建て保険の良いところも、私は円建てよりも保険料が安いところと私は思っています。

保険はやはり、本来の役割「万が一への備え」のためのものと捉えるべきですし、そのためにコストを負担すると考えていただきたいと思います。そのコストを負担してディフェンスを固めている間に、将来へ向けて必要なことを行っていく(資産運用もそのひとつ)ことが、今の時代には非常に大切だと思っています。年金問題が再び話題になっている昨今、是非募集人の皆様もしっかりと考えていただき、お客様へご自身の見解をしっかり伝えていただきたいと思います。

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